ストレスがあるとなぜ食に走るのか?ストレス太りとホルモンの関係

現代人に増えているのが、ストレス太りです。ストレスの原因は人によって違いますが、全くストレスがない人は、きっといないのではないでしょうか。
仕事関係、家庭内の問題、近所づきあい、親の介護などに加え、スマホやテレビからの情報が不安のもととなり、ストレス解消のために食に走ってしまう人は多いようです。
食べ過ぎては落ち込んでダイエットをするものの、リバウンドを繰り返すのは、食欲をコントロールするホルモンの働きが鈍っているからです。
この記事では、ストレス太りとホルモンの関係についてわかりやすくお伝えします。

1. ストレスがあるとなぜ食に走る?

ストレスと食欲との関係には、様々なホルモンが関係しています。
ストレスが溜まると、神経物質の「ノルアドレナリン」が増加し、食べたい欲求が増します。
食べたいという欲求を抑える「セロトニン」は、「ノルアドレナリン」の影響を受けて、食欲を抑えられなくなるため、食べ過ぎてしまうのです。

また、胃から分泌されるグレリンというホルモンと、脂肪細胞から分泌されるレプチンというホルモンとの関係も食べ過ぎと関わっています。
グレリンは、空腹になると分泌されますが、心身の疲労や睡眠不足などでストレス一杯だと、グレリンが増加してレプチンが減少する傾向にあります。
すると、レプチンが持つ食欲を抑制するホルモンが十分分泌されないため、食欲が抑えられなくなってしまいます。

1-1. コルチゾールと過食の関係

ストレスを感じると分泌されるストレスホルモン「コルチゾール」も、過食に深く関係しています。
コルチゾールが分泌されると、幸せホルモンと呼ばれる食欲を抑える「セロトニン」が減少します。
セロトニンの働きが抑制されるために、食欲が増してしまいます。

1-2. インスリンと過食の関係

インスリンとは、すい臓から分泌されるホルモンです。
インスリンは、血液中のブドウ糖をエネルギーとして消費する際に必要ですが、余った分は脂肪として体に残ってしまいます。
過食が続くと、単に肥満だけでなく膵臓に負担がかかり、インスリンの分泌が悪くなって糖尿病になってしまうこともあります。

2. ストレス太りは脳のせい?

それほどお腹が空いていなくてもポテトチップスや甘いお菓子が食べたくなるのは、実は脳内のホルモンの分泌バランスが崩れているからなのです。
「どうしてこんなに意思が弱いんだろう」と思い、思いつきで自己流の食事制限などをしてしまうと、増々、食欲を制御するホルモンが出にくくなり、ある日突然ドカ食いをしてしまいます。

2-1. 食欲をコントロールするホルモンの分泌を促す方法

人の体は、一定のパターンで行動することで、ホルモンの分泌のバランスがよくなることが分かっています。簡単に言えば、早寝早起きをして、規則正しい食事と運動を行うことです。
「そんな基本的なことは分かっているが、それができない現状なんだ!」と言われそうですが、確かに夜勤や早朝出勤、夜中の授乳、親の介護などで、規則正しく生活できない人もたくさんいらっしゃいます。
しかし、それを言い訳にしていると、食欲をコントロールするホルモンの分泌はどんどん減少します。家族や職場の人にも自分の今の状態を打ち明け、できる範囲で規則正しい生活を送るようにしましょう。

2-2. ソーシャルメディアに時間を費やしすぎていませんか?

ソーシャルメディアは、人々の情報発信が作り出すメディアですが、ブログやツイッターが、知らず知らずのうちにストレスになっていることも多いようです。
スマホを触りながら食事をしたり、ブログのランキングが気になって、いつも確認するなど、些細なことですが、その時間を「脳を休める時間」に充てると、脳内ホルモンはバランスよく分泌されるようになります。

2-3. できることから始めてみよう

ストレス太りを防ぐためには、日常生活を見直すことです。それだけで、脳内ホルモンの分泌バランスが整い、ついつい食べ過ぎてしまうことが防げます。

食生活

生活のリズムを正すのに効果的なのが、まず食事の時間を整え、スマホを見ながら食べるなど「ながら食べ」をやめ、食事から食事までの時間を5時間ぐらい開けます。間食をする場合は、ナッツ類などを少量食べる程度にします。

睡眠

睡眠不足が続くと脳の働きが低下して、あらゆるストレスに耐性がなくなります。質の良い眠りを得るためには満腹で寝ないようにし、寝る前にカフェインの入った飲み物を控えるようにします。また、ベッドの中でのスマホも控えましょう。

運動

十分な運動時間が取れなくても、通勤や通学の際に早歩きをしたり、エスカレーターやエレベーターを使用せずに階段を使うなど、なるべく体を動かすようにするだけでも消費カロリーが増え、肥満を抑えるホルモンの分泌が増えます。

3. まとめ

脳が休む暇がない状態のまま、過度な食事制限や激しい運動をおこなうダイエットを始めても、リバウンドする可能性が高いと言えます。少しずつでも生活習慣を見直していくと、ホルモンのバランスが整い、無駄に食べ過ぎることがなくなります。「急がば回れ」が、ストレス太り解消の近道です。

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