太っていることのリスク

肥満が引き起こす主な健康障害は、糖尿病、腎臓病、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症などに加え、冠動脈疾患、脳梗塞、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群、整形外科的疾患、月経異常の11種と言われています。
太っていることで、こんなにリスクがあると分かると、少しでも早く適正体重に戻したいものです。

1. 自分の適正体重を知ろう

肥満度の判定には、肥満度を示す体格指数BMI(Body Mass Index)が用いられます。医学的に減量治療を必要とする肥満は、BMIが25以上です。
痩せるべきかどうか、どのくらいの減量が望ましいかは、人によって違います。
肥満のタイプは「内臓脂肪型肥満」と「皮下脂肪型肥満」に分けられますが、「内臓脂肪型肥満」の方が生活習慣病を発症するリスクが高いと言えます。

1-1.BMIと適正体重の求め方

BMI=体重(kg)÷身長(m)の2乗
適正体重=身長(m)の2乗×22
BMIが18.5~25未満が適正で、25~30未満が肥満度1、30~35未満が肥満度2、35~40未満が肥満度3、40以上が肥満度4になります。

どのくらいの減量を行うと良いのかは人によって違うので、自己判断でダイエットをせずに、かかりつけ医に相談して、適切な体重管理を心がけましょう。

2. 肥満が招く主な病気

2-1. 糖尿病

糖尿病には1型と2型の2種類がありますが、生活習慣病と呼ばれているのは2型糖尿病で、日本の糖尿病患者の約95%を占めています。2型糖尿病は、糖分を分解するのに必要なインスリンの作られ方や働き方に問題が生じ、食べたものを正常に代謝することができなくなる病気です。症状はトイレに頻繁にいくようになる、のどが渇く、皮膚が乾燥する、目がかすむ等、様々です。

2-2. 腎臓病

肥満による生活習慣病が悪化すると、腎臓にダメージを与えてしまいます。糖尿病は、透析療法にいたる原因となる病気の第1位です。また、高血圧になると腎臓の働きが悪くなり、腎臓の働きが悪くなると高血圧が悪化するという悪循環の関係にあります。脂質異常症も慢性腎臓病(CKD)の発症と進行の危険因子です。

2-3. 脂質異常症

脂質異常症とは血清脂質値が異常値を示す病気で、「悪玉コレステロール(LDL)の上昇」「善玉コレステロール(HDL)の低下」「中性脂肪(トリグリセリド)の上昇」などから診断されます。
LDL-コレステロール140mg/dl未満、HDL-コレステロール40mg/dl以上、中性脂肪(トリグリセライド)150mg/dl未満が正常値です。このうちいずれかが基準値の範囲でない場合に、脂質異常症と診断されます。
脂質異常症によって生じる恐れがある疾患は、動脈硬化や心筋梗塞、狭心症、脳梗塞や糖尿病、メダボリックシンドロームです。

2-4. 高血圧症

年齢が上がるほど高血圧は増え、75歳以上の約80%が高血圧であると言われています。
高血圧は自覚症状がほとんどありませんが、高血圧を放置していると、脳出血や脳梗塞を起こしてしまう場合もあります。過食による塩分の摂りすぎに気を付ける必要があります。

2-5. 高尿酸血症・痛風

高尿酸血症になると、血液中の尿酸値が通常よりも高い状態となります。尿酸値が高くなると、痛風と呼ばれる病気を発症することがあります。
尿酸の結晶は足の親指の付け根に形成されることが多く、痛みや腫れなどの痛風関節炎(痛風発作)を引き起こします。

2-6. 冠動脈疾患

心臓の心筋に十分な血液が供給されないために起こる病気です。
心臓をとりまく冠動脈の内壁に徐々に沈着したコレステロール(脂肪)などが血管の内腔を狭め、血管に流れる血液量が減少して、十分な酸素や栄養素を心筋に供給できなくなって、胸痛や胸部圧迫感を招きます。

2-7. 脂肪肝

脂肪肝は、肥満などが原因で肝臓に中性脂肪がたまった状態をいいます。
自覚症状はほとんどなく、症状がないまま経過しますが、約10%の人は肝臓が炎症を起こして慢性肝炎(非アルコール性脂肪肝炎)となり、さらにそのうちの20%ほどが肝硬変を起こすと言われています。

2-8. 睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸障害とは、寝ている間に呼吸が止まって、苦しくなって目が覚め、再び眠りだすと、また呼吸が止まってしまうことを繰り返します。
原因は断定できませんが、肥満の人は体脂肪によって空気の通り道の喉が狭くなるのが、睡眠時無呼吸の原因と考えられています。

2-9. 整形外科的疾患

変形性関節症とは、関節の構成成分である軟骨がすり減ってしまい、関節の形態が著しく変形してしまう病気です。
軟骨がすり減る以外にも関節内で多くの変化が生じるため、関節の痛みや腫れなどが現れます。 変形性関節症は、荷重関節である股・膝・足関節でみられることが多いといえます。
変形性関節症には、加齢や肥満が引き金となって起こる一次性関節症と怪我や病気などが原因でおこる二次性関節症があります。

2-10. 月経異常、妊娠合併症

脂肪細胞から分泌されるレプチンには、生殖にかかわる機能があります。
体脂肪が少なすぎても月経異常を招きますが、肥満の場合も月経異常や妊娠合併症が起こります。肥満の場合は、血中レプチン濃度が高値であるにもかかわらず、レプチンが働かなくなるレプチン抵抗性と言われるの状態になります。
生殖機能が障害され、月経不順や不正性器出血、無月経や不妊症といった様々な症状がみられます。 また、肥満の妊婦は妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの妊娠合併症にかかるリスクが高くなります。

3. まとめ

肥満が原因となる健康障害は数多く、どの症状ともリンクし合っています。太っていることは、数々の病気の原因になってしまいます。生活習慣を見直し、適正体重に戻すように努力したいものです。

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