漢方ダイエットとは、痩せたい人の体質に合った漢方薬を用いて、健康的に美しく痩せるための一つの方法です。
漢方薬は、生薬を原料としているため、体に優しいと言ったイメージがありますが、体質に合わないと副作用もあります。
同じ肥満でも、代謝が悪く排出力が落ちているタイプと、食べ過ぎで脂肪や老廃物をため込んでしまっているタイプがあります。
漢方薬を用いてダイエットを行う際には、自分がどちらのタイプかを見極めて、専門の薬剤師に相談してから服用しましょう。
目次
1. あなたはどのタイプの肥満ですか?
代謝が悪く排出力が落ちているタイプは、体のパワー不足で、食べたり飲んだりしたものが有効に使われず、不要なものを排出する力も弱っています。
一方、食べ過ぎで脂肪や老廃物をため込んでしまっているタイプは、食欲旺盛でパワーがあるものの、年齢とともに運動不足になり、代謝が悪くなっている可能性があります。
それぞれの肥満のタイプに合った漢方薬について説明します。
1-1. 代謝が悪く排出力が落ちているタイプに効果的な漢方薬
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
防已黄耆湯は肥満症、多汗症、むくみなどの治療に用いられる漢方薬です。
水分代謝を改善する作用があり、色白でむくみやすく、汗っかきで疲れやすい、虚弱体質の方に向いています。
副作用としては、皮膚のかゆみや発疹、発赤、胃部の不快感や食欲不振などの副作用が見られることがあります。
六君子湯(ろっくんしとう)
体のエネルギーを補う生薬と、体に溜った余分な水分を追い出す生薬が、バランスよく含まれており、消化吸収の源である胃腸の機能を高める効果があります。
副作用としては、皮膚のかゆみや発疹、発赤、胃部の不快感や食欲不振などの副作用が見られることがあります。
1-2. 食べ過ぎで脂肪や老廃物をため込んでしまっているタイプ
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
防風通聖散は、体の熱をさまし病因を発散させる作用があるとされています。
また、体内の水分循環を改善し、便秘を解消する効果も期待できます。
防風通聖散は肥満症、便秘、むくみの治療に用いられる代表的な漢方薬です。
副作用としては、皮膚のかゆみや発疹、発赤、胃部の不快感や食欲不振などの副作用が見られることがあります。
消化器症状としては、吐き気、食欲不振、胃部不快感、腹部膨満感、腹痛を伴う下痢、腹痛が伴うことがあります。その他にも、発汗や動悸、むくみ、頭痛、めまいなどの症状がおこる場合もあります。
大柴胡湯(だいさいことう)
大柴胡湯は体力があって腹部が張っている人に向いている漢方薬です。
胃炎や便秘、肥満症のほか、高血圧や肥満をともなう肩こりや頭痛の治療に用いられます。脂質の代謝を促す作用も期待できます。
副作用としては、胃の不快感、食欲不振、吐き気、腹痛、下痢などが起こることもあります。
2. 肥満のタイプ別おすすめのお茶
自分がどのタイプの肥満か分かりにくい場合は、漢方薬を試す前にドラッグストアやスーパーでも手に入る漢方茶で試してみる方法もあります。
2-1. 代謝が悪く排出力が落ちているタイプに効果的な漢方茶
このタイプの人には、体を温めたりエネルギーを補う働きがあるお茶がおすすめです。
黒豆茶
黒豆には、余分な水分を追い出す作用と、体のエネルギーを補う作用があります。
杜仲茶
体を温め、代謝を高める作用があります。
なつめ茶
体のエネルギーを補う効果が期待できるとともに、鉄分も補えます。
レモングラスティー
スッキリしたレモンの香りで、消化促進効果があります。
ハイビスカスティー
消化を促進する働きがあり、クエン酸を多く含むため、美容や疲労回復効果もあります。
2-2. 食べ過ぎで脂肪や老廃物をため込んでしまっているタイプに効果的な漢方茶
このタイプの人には、老廃物を外に出す作用があるお茶がおすすめです。
ウーロン茶
体の余分な脂肪や老廃物を外に出す作用があります。
ドクダミ茶
解毒作用があります。
ジャスミンティー
解毒作用とともに血の巡りをよくする働きが期待できます。
ペパーミントティー
胃の筋肉をリラックスさせ、食欲を抑制する効果があります。腸に対しては、局部的に刺激作用があり、便秘を解消する働きがあります。メントール特有の清涼感がリフレッシュ効果があり、食後におすすめのハーブティーです。
ギムネマシルベスタティー
腸に入ってきたすべての糖分にたいして、吸収を抑える働きがあります。
3. まとめ
漢方薬を用いたダイエットは、体に優しいイメージがありますが、人によっては副作用が出ることもあります。
自分に合った漢方薬を適切に用いることで、効率よく痩せることが期待できますが、日々の食事や運動を見直すことも大事です。
3食をバランスよく摂り、スクワットや腹筋などの無酸素運動とウオーキングなどの有酸素運動を組み合わせて行う習慣もつけましょう。
漢方薬だけに頼るのではなく、あらゆる角度から、なるべく体に害のない方法で、健康的に痩せましょう。