ニキビ種類

ニキビには、どんな症状がありますか?

ニキビには、どんな症状がありますか?

ニキビについて

ニキビは、医学的には尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)といいます。
ニキビは、思春期以降に顔や体の出てくるようになるもので、誰しもが経験する(日本人の約90%が経験)、ありふれた皮膚疾患です。
一般的には、ニキビは12歳ごろから出るようにあり、16歳から18歳ごろにもっとも症状が強くなり、その後はじょじょに少なくなっていくと言われています。

にきびの症状について

ニキビの症状は、次の第0段階から第3段階の4段階に分けられます。

  1. 第0段階:微小面皰
  2. 第1段階:面皰 白色面皰(白ニキビ)、黒色面皰(黒ニキビ)
  3. 第2段階:痤瘡(ざそう)紅色丘疹(赤ニキビ)、膿疱(黄色ニキビ)
  4. 第3段階:瘢痕治癒(いわゆるニキビ痕)

第0段階と第1段階をあわせて非炎症性皮疹(赤みがない)、第2段階と第3段階をあわせて炎症性皮疹(赤みがある)に分けられます。

第0段階:微小面皰1–6

毛穴の出口が皮脂や角質でふたをされてしまって、皮脂が毛穴に溜まってしまった状態が面皰と言われ、その初期のものを微小面皰と言います。
この状態は肉眼では確認できず、いわゆるブツブツもなくこれといった症状がない状態です。

第1段階:面皰 白色面皰(白ニキビ)、黒色面皰(黒ニキビ)1–6

微小面皰のものがじょじょに大きくなったものが面皰といいます。
面皰には、面皰の内容物が外に露出して黒色に変化している黒色面皰(黒ニキビ)と、皮脂で詰まっている閉鎖面皰(白ニキビ)があります。
この状態になると、皮膚に白色のブツブツとして認識できるようになります。

第2段階:痤瘡(ざそう)紅色丘疹(赤ニキビ)、膿疱(黄色ニキビ)1–6

第1段階の面皰の中は酸素がすくなく皮脂が充満している状況で、ここで酸素がなくても生きていける(通性嫌気性)、皮脂が大好きな(好脂性)アクネ菌[Cutibacterium acnes:C. acnes(旧称Propionibacterium acnes)]が増殖して炎症を起こしていきます。
 
面皰の周囲が炎症により赤くなったものが紅色丘疹(赤ニキビ)といい、その後、アクネ菌と体の中の兵隊さんである好中球がやっつけた残骸が膿疱(黄色ニキビ)になります。
こうした紅色丘疹(赤ニキビ)や膿庖(黄色ニキビ)が落ち着いたあとも,炎症後紅斑,炎症後色素沈着が残ることがありますが、時間の経過とともに自然に落ち着いていきます。

第3段階:瘢痕治癒(いわゆるニキビ痕)1–6

ニキビの炎症が毛穴の周囲から広いエリアまで波及すると,組織が変性して萎縮をきたしたり,廠痕(ニキビ痕)となったりします。
こうなってしまうと不可逆的といって、もとの皮膚の状態には戻らないと考えられています。
これらのニキビ痕がある方とない方を比較すると、ニキビが出てきた年齢は差は無いのに(どちらも平均14.3歳)、ニキビ痕がない方は医療機関での治療開始が早いというデータがあり(平均16.8歳 vs 平均 19.9歳)、ニキビの早い段階で軽症の時期から積極的な治療をすることがニキビ痕の予防に有効だと言われています。

ニキビの重症度について

ニキビは、次のような基準で、軽症から最重症まで分類されています。

  1. 軽症:顔の半分に炎症性皮疹が5個以内
  2. 中等症:顔の半分に炎症性皮疹は6個以上20個以下
  3. 重症:顔の半分に炎症性皮疹は21個以上50個以下
  4. 最重症:顔の半分に炎症性皮疹は51個以下

医療機関では、この重症度に従って治療の内容を決定します。

まとめ

今回は、ニキビの症状について説明しました。
ニキビは、目に見えない段階から毛穴に皮脂の詰まりが起こり、それが大きくなって、白ニキビや黒ニキビが起こり、そこにアクネ菌が炎症を起こして赤ニキビ、黄色ニキビになっていきます。
炎症性皮疹のあとは、瘢痕といったニキビ痕がのこってしまうこともあり、ニキビ痕を予防するには、早い段階から皮膚科医での治療が望ましいとされています。

参考文献

1. 谷岡未樹. medicina 2020;57:1906.
2. 小林美和. Medicina 2020;57:1860.
3. 小松貴義, 大塚篤史. チャイルドヘルス. 2020;23:270.
4. 林伸和. 小児科診療. 2019;11:187.
5. 黒川一郎. Bella Pelle 2018;3:14.
6. 林伸和. 小児内科2019;10:1464.

関連コラム