ニキビができただけでもショックですがニキビ跡の赤みが残ったり、凹んでしまうのはもっとショックが大きいのではないでしょうか。
ニキビ跡はニキビが炎症して皮膚にダメージが与えられ、何らかの形で跡が残ってしまう状態です。
ニキビ跡ができてしまったら早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
本記事ではニキビ跡の種類や皮膚科での治療方法についてご紹介します。
タイプ別ニキビ跡の種類
ニキビ跡には様々なタイプがあるため、跡の残り方や改善方法が違います。
ニキビ跡のタイプは5種類です。
- 赤みがある
- 紫色
- 茶褐色
- 赤く盛り上がる
- 肌表面が凹んでいる
それぞれの特徴について見ていきましょう。
赤みがある
炎症をともなうニキビは、皮膚を守るために毛細血管が患部に集中して拡張するので、その影響でニキビが治っても赤みが残ることがあります。
炎症のダメージで皮膚が薄くなってしまったことで、毛細血管の中のヘモグロビンが透けて見えている状態です。
ニキビが治ってから1ヶ月ほどで赤みは引き始め、2~3ヶ月くらいで目立たなくなっていきます。
炎症が強かった場合や、同じ箇所で何度も炎症を繰り返している場合は赤みがなかなか引かずに長期間になることもあります。
紫色
ニキビの炎症が皮膚の深部まで到達してしまうと、その部分の毛細血管が破裂して内出血することがあります。
裂傷した部分から血液成分であるヘモグロビンが漏れ出て色素沈着し、紫色の跡ができてしまうのです。
炎症しているニキビを刺激すると起こりやすいです。
茶褐色
ニキビが炎症し、皮膚が守ろうとメラノサイトが活性化して大量のメラニン色素を生成することで赤いニキビが茶色に変色して色素沈着を起こし、茶褐色の跡になります。
通常は肌のターンオーバーによって数ヶ月で目立たなくなりますが、紫外線や外部からの刺激の影響でさらに悪化してシミになる場合もあります。
赤く盛り上がる
ニキビの炎症が真皮まで到達すると、ニキビを修復する過程でコラーゲンが過剰に生成することによって盛り上がってしまいます。
発生はケロイドや肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)などの体質が関係していると考えられており、軽度のニキビでは発生せず、重度のニキビであった場合に発生することが多いです。
肌表面が凹んでいる
炎症を起こしているニキビを放置していたり、ニキビを潰してしまったことで毛穴周辺の組織が破壊されて毛穴の形が変形し、凹んでしまいます。
ニキビの炎症が真皮まで達し、真皮の構造を壊してしまうため自然治癒は難しいです。
一度ニキビ跡が凹んでしまうと市販薬などで自力で治すことは難しいため、クリニックでの治療が必要になります。
ニキビ跡の赤みを解消する治療方法
皮膚科や美容クリニックなどの医療機関では、ニキビ跡の赤みを解消する様々な治療方法があります。
症状によって治療回数や期間は異なりますが、ニキビができたら早めに受診して適切な治療を受けましょう。
皮膚科で受けられる治療方法をご紹介します。
ケミカルピーリング
「サリチル酸」「グリコール酸」などの薬剤を塗布し、肌のターンオーバーをサポートする治療方法です。
肌表面の古い角質を取り除き、新しい皮膚の再生を促すことでニキビやニキビ跡を改善します。
ニキビの原因となるアクネ菌を取り除くので、ニキビ予防も効果も期待できます。
ダーマペン
ダーマペンとは髪の毛よりも細い超極細針のついたペン型の機器で、肌表面に細かい穴を開けます。
開いた毛穴が閉じようとする自然治癒の過程でコラーゲンなどの生成や毛穴の引き締め、ニキビ跡の改善ができる治療方法です。
肌の真皮層にある線維芽細胞にアプローチできるため、肌を構成する要素となるコラーゲン、エラスチンの生成を活性化させてハリと弾力のある肌にし、ニキビ跡を目立たなくさせます。
肌表面に穴が開いている状態なので、施術後はイオン導入や色素沈着に効果的な「ウーバーピール」との併用がおすすめです。
ただし赤みや炎症が起きている段階での治療は受けられません。
悪化して跡が残ってしまうため、炎症が落ち着いても赤みが残ってしまった場合に受けるといいでしょう。
光・レーザー治療
ニキビ跡の赤みや茶褐色などの色素に反応する波長のレーザーを照射する治療方法です。
光やレーザーの熱刺激によって、コラーゲンの生成を活性化させて、肌の弾力とハリをアップさせる効果も期待できます。
赤みに吸収されるレーザーの「フォトシルクプラス」という光治療があります。
イオン導入
赤みや色素沈着など色味の改善に効果のある薬剤を、微弱な電流を使ってイオン化し肌の真皮層まで浸透させる治療です。
薬剤は、美白と皮脂分泌抑制効果のある「ビタミンC誘導体」や、メラニン生成を抑える働きのある「トラネキサム酸」など複数の種類があるため、ニキビ跡の種類に応じた薬剤を導入させます。
イオン導入単体でも美肌効果が期待できますが、ダーマペンやケミカルピーリングなど他の治療方法と組み合わせることで、さらに美肌効果を高めることが可能です。
外用薬
肌のターンオーバーをサポートする「レチノイン酸(ビタミンA)」や、美白効果のある「ハイドロキノン」などの外用薬を用いた治療方法もあります。
赤みや色素沈着を起こしているニキビに有効です。
治療に通わず自宅でできるため、ほかの治療方法と併用しながら行うことも可能です。
ニキビを繰り返している場合は、外からのケアだけでなく内側からケアできる内服薬の服用もあります。
まとめ
ニキビ跡の種類や赤みを解消する方法についてご紹介しました。
ニキビ跡の赤みが残ってしまったら、市販薬やメイクで隠すなど自己流でなんとかせずに皮膚科を受診しましょう。
皮膚科でのニキビ跡の治療は様々な方法があるので、早い改善が期待できます。
治療には回数と期間を要することもあるので、治療方法や不安や疑問についてしっかり相談できる皮膚科を探しましょう。