ニキビ原因

「マスクネ」対策してますか?コロナ禍で急増!マスク着用によるニキビの原因と対策を徹底解説

「マスクネ」対策してますか?コロナ禍で急増!マスク着用によるニキビの原因と対策を徹底解説

新型コロナウイルス感染症が蔓延している現在においては、夏場であってもマスクを着用しなければならないシチュエーションがありますよね。
ただ外にいるだけですら暑くて汗が噴き出るほどなのに、マスクをしたまま坂道をのぼったら口周りの蒸れ具合は尋常じゃないですよね。また、汗だけじゃなくマスクの繊維でこすれるわけですから、たとえば一度できたニキビがなかなか治らない、なんてことにお悩みではないでしょうか。ニキビがあると、WEB会議でマスクを外すこともためらってしまいます。アフターコロナに向けて、悩みの種であるニキビから解放され、自信を持って、マスクを外せるよう準備しましょう。

一般的なニキビの原因とは?

俗に言うニキビとは、医学的には尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)という皮膚の病気の一種です。ニキビは、毛穴へとつながる皮脂腺から過剰に皮脂分泌が起こり、毛穴が詰まり、皮膚に存在しているアクネ菌などの菌が異常に繁殖する状態です。一般的に、その原因として考えられるのは、糖質・脂質のとりすぎといった偏った食事、皮膚の乾燥、睡眠不足、ホルモンバランス異常、紫外線、ストレス、洗いすぎによる物理的刺激や洗顔料の洗い残しなどです。

コロナ禍で繰り返すニキビ、「マスクネ」の実態

2019年以降続いているパンデミックの中で、マスク着用に伴うニキビなどの皮膚疾患が増えていることが報告されています(1)。これらのニキビは、以前確認されていたヘッドギアなどの個人防護具着用部位にできたニキビの変種であり、マスクネ(Maskne: mask+acne(ニキビ))と名付けられました。マスクネと呼ばれるマスクニキビは、長時間マスクと接触することで刺激され、角質が厚くなり、毛穴を詰まらせ発生します。その他の原因としては、マスク内の体温上昇に伴う湿度上昇、皮膚のアルカリ化によるニキビ菌の増殖と考えられています。また、再利用できる布マスクでは、界面活性剤入りの洗剤や柔軟剤の洗い残しが皮膚構造を壊してしまい、ニキビの原因となってしまいます。

参考文献
(1) COVID19パンデミック時代に起きた皮膚科外来での変化
Kutlu Ö, Metin A. Relative changes in the pattern of diseases presenting in dermatology outpatient clinic in the era of the COVID‐19 pandemic. Dermatol Ther. 2020;33(6):e14096.

マスクニキビ「マスクネ」の原因と対策

アメリカの皮膚科学会の方針によれば、「4時間マスクを着用したら感染リスクを考慮した上で15分間マスクを外す」ことを推奨しています。そして外した後は、しっかり洗顔した上で保湿剤を用いて乾燥を防ぐことが重要だとしています。Wan-Lin Teo博士がJournal of the American Academy of Dermatology誌というアメリカ皮膚科学会の機関紙に報告した研究では、特に過酸化ベンゾイル、レチノイドなどの通常のニキビ外用薬に含まれる成分が、マスク下では接触性皮膚炎などの要因となりうるため注意が必要だと報告されています(2) 。ニキビを治すための薬が、マスクをつけている状況では、むしろ接触性皮膚炎の原因にもなり得るというのは盲点ですよね。

参考文献
(2) COVID19時代における、マスクニキビの診断と管理
Teo WL. Diagnostic and management considerations for ‘Maskne’ in the era of COVID‐19. J Am Acad Dermatol 2021; 84: 520–521.

まとめ

これから先、まだまだウィズマスク時代は続くと思われます。ニキビは初期の段階でケアをすることで、悪化や再発を防げる可能性が高い疾患です。「マスクネかな?」と思ったら、まずは早めにクリニックを受診し、適切なアドバイスをもらうことが重要です。

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