ニキビ治療

自己判断していませんか?自己判断は絶対NG!ニキビに対する「塗り薬」を徹底解説

自己判断していませんか?自己判断は絶対NG!ニキビに対する「塗り薬」を徹底解説

ニキビをそのまま放っておいたり、自己流の処置を続けていたりすると、ひどく重症化する可能性があります。「たかがニキビで病院に行くなんて大げさだ」と考えていませんか。また、病院には行くまでの症状ではないと考え、家に置いてある使用しなくなった軟膏やクリームを自己判断で試してしまったことはないでしょうか。よく使用する塗り薬のニキビへの効果、リスクについて、最新のニキビの治療ガイドライン(1)を用いて理解していきましょう。

ニキビの治療ガイドライン(1)で強く推奨されている外用薬

・アダパレン(商品名:ディフェリンゲル)
毛穴の角化を正常化して皮脂を出す効果により、ニキビを良くするだけでなく、発症を予防します。そのためニキビ治療と予防の基本薬となり、改善した後も続けることで、ニキビができにくい状態を維持します。1日1回夜に洗顔後に使用します。
副作用:乾燥、発赤熱感、痒みなど。

・抗菌薬
クリンダマイシン(商品名:ダラシンT)
ナジフロキサシン(商品名:アクアチム)
オゼノキサシン(商品名:ゼビアックスローション)

ニキビの原因菌であるアクネ菌やブドウ球菌などに作用する抗菌剤です。ただし、抗生剤に耐性がある菌が増加しており問題となっています。
朝と夜の1日2回使用します。夜は上記のアダパレン(商品名:ディフェリンゲル)のあとで塗布します。
副作用:乾燥、角質の剝離、発赤熱感、痒みなど

・過酸化ベンゾイル(商品名:ベピオゲル)
過酸化ベンゾイルとクリンダマイシンの配合剤(商品名:デュアック配合ゲル)
過酸化ベンゾイルとアダパレンの配合剤(商品名:エピデュオゲル)

過酸化ベンゾイルは強い酸化作用を持ち、生体内で分解されフリーラジカルと呼ばれる物質が生じます。このフリーラジカルがニキビの原因となるアクネ菌やブドウ球菌などに抗菌的に作用します。また毛穴の開口部周辺においてフリーラジカルがタンパク質を変性させ、角質細胞同士の結合をゆるめることで、角層の剥離を促し、ニキビを改善させます。1日1回使用します。アダパレン(商品名:ディフェリンゲル)と併用する場合は朝に塗布するか、夜の場合はアダパレンの塗布後に塗布します。
副作用:発疹、皮膚の剥脱など

ニキビの治療ガイドライン1)で推奨されてない外用薬

・ステロイド(商品名:リンデロン、ロコイド、プレドニゾロンなど)
ステロイド軟膏には一時的な抗炎症作用はありますが、むしろニキビを引き起こすことが分かっていますので、一般的には用いられません。

・上記以外の抗菌薬、消毒薬
ゲンタマイシン(商品名:ゲンタシン軟膏など)
オキシテトラサイクリン(商品名:テラマイシン軟膏など)
フラジオマイシン(商品名:バラマイシン軟膏など)
クロルヘキシジングルコン酸塩(商品名:オロナイン軟膏など)
これらの塗り薬は、ニキビに対する有効性は十分に検討されていません。

まとめ

クリニックでは塗り薬だけではなく、それぞれのニキビ症状に合った飲み薬も処方してくれます。また効果的だと考えられる施術についても患者の希望により、選択することが可能です。ニキビでお困りなら、自分でどうにかしようと考えるよりも、なるべく早くクリニックに行くことが大切です。

参照
(1)尋常性痤瘡治療ガイドライン2017

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