ニキビ治療

ケミカルピーリングで美肌ケアをする際のピーリングの種類と注意点

ケミカルピーリングは、肌の表面に専用のジェルやクリームを塗って、古い角質を柔らかくして剥がし、肌のターンオーバーを正常化させる美容治療です。
専門のクリニックで行うケミカルピーリングは、一人ひとりの肌悩みに合った薬剤を使用するため、的確な治療を受けることができ、明確な効果が得られます。
この記事では、ピーリング効果とともに注意点もお伝えします。

ケミカルピーリングの主な種類の効果と副作用について

ケミカルピーリングは、主にグリコール酸、サルチル酸などの酸を使って、皮膚の表面にある角質を除去して皮膚の細胞の活性化を促し、代謝を良くします。
ケミカルピーリングでケアできるのは、ニキビ、ニキビ跡、毛穴の汚れや開き、そばかす、くすみ、小じわ、しみなどです。
ケミカルピーリングには、幾つかの種類がありますが、即効性があればいいというものではありません。
どんな薬剤も効果の裏には副作用があるものですが、副作用を抑えつつ効果を引き出すには、体調を見ながら、数回の施術を行う必要があります。
肌のトラブルは長い時を経て、現在の症状として表れているので、焦りは禁物です。
食事や睡眠、運動など生活習慣も見直しながら、少しずつ肌がきれいになっていく過程を楽しみましょう。
ケミカルピーリングの主な種類の効果と副作用については以下の通りです。

グリコール酸(AHA)

ケミカルピーリングの中では、最もベーシックな薬剤がグリコール酸です。
パイナップルやリンゴ、サトウキビなどに含まれる水溶性の酸で、フルーツ酸ともいいますが、低い濃度から試せるので、肌にかかる負担が少ないのがメリットです。
グリコール酸は、角質を取り除く作用があるので、ニキビやニキビ痕の改善に効果的です。
また、肌の弾力や保湿力をアップする効果が期待でき、肌のくすみやざらつき、いちご鼻とも呼ばれる毛穴の黒ずみを改善する効果もあります。
濃度の低いグリコール酸は、市販の化粧水などに含まれているものもあります。
副作用としては、赤みなどを伴う炎症や肌荒れが伴うことがあります。ダウンタイムは、ほとんどありません。

サリチル酸マクロゴール(BHA)

強力な溶解作用があるサルチル酸を、保護剤としての役割もあるマクロゴールと組み合わせることで、深部への浸透を防ぎ、角質層のみを剥離します。
サリチル酸マクロゴール(BHA)は、施術中の痛みや副作用を抑えながら、高いピーリング効果が得られると共に、角栓をできにくくする作用があり、ニキビやニキビ痕の改善、毛穴の黒ずみや開きやしわ、たるみの改善に有効です。
皮脂分泌過多が原因で起こる皮膚や毛穴のトラブルに対する効果が高いことは、学術的にも認められています。
副作用としては、ピリピリした刺激や赤みやカサブタが伴うこともあります。ダウンタイムは、ほとんどありません。

トリクロロ酢酸(TCA)

サルチル酸以上の強力な剥離作用があります。
酸の作用が表面の角質だけでなく、さらに深層の真皮レベルまで到達して、コラーゲン増生を誘導するため、凹凸になってしまった、クレーター状のニキビ跡などの改善にも使われています。施術後は、肌にハリと弾力が蘇ります。
副作用としては、赤みは早く治るものの、カサブタは2週間近く残ることがあります。ダウンタイムが 長いのが気になるところですが、早い人では1週間程度でカサブタがはがれます。

乳酸

天然乳酸を主成分としたマイルドなピーリング剤で、皮膚の浅い部位に作用します。
蓄積された古い角質を溶かし、表皮の細胞を活性化して、肌のターンオーバーを正常にする働きがあります。
なるべく肌にストレスを与えずにニキビ痕のケアがしたい肌が敏感な方におすすめです。
副作用については、施術後に赤みや腫れなどを起こす事はほとんどなく、当日から普通の生活をすることができます。
乳酸ピールの歴史は最も古く、古代エジプトではクレオパトラが発酵乳で入浴していたと言い伝えられています。ダウンタイムはありません。

ピーリングの際の注意点と施術の流れ

2000年11月に厚生労働省が「ケミカルピーリングは医師のみが行える医療行為である」と、医師会や都道府県への通達がなされました。
さらに、2016年には、ケミカルピーリングの中では最もベーシックな薬剤のグリコール酸(3.6%以下)を毒物及び劇物取締法に基づく劇物に指定しました。

そのため、医療機関以外で行うピーリングについては、乳酸やフルーツ酸、天然乳酸を主成分とした乳酸ピーリングなど、ほとんど副作用がないものに限られています。
医療機関でおこなうケミカルピーリングは、細胞レベルで再生できることが期待できます。

ケミカルピーリングを控えたい人

  1. 妊娠、授乳中の人
  2. ケロイド、自己免疫疾患になったことのある人
  3. アトピー性皮膚炎で、赤ら顔など顔に症状のある人
  4. 口唇ヘルペスの人
  5. 薬を飲んでいる人(薬の種類にもよるため、医師に相談する)

ピーリング前後の注意点

術前2~3日、および術後1週間は、顔のマッサージ、顔そり、脱毛、顔のパックなど、顔に負担がかかるお手入れは控えましょう。
また、術後1週間は、パーマ、プール、温泉などを控えるとともに、アルコールも控えめにしておきましょう。
その他にもピーリング前後は、日焼けに注意し、日焼けどめクリームを塗り、日傘や帽子などで紫外線対策を万全に行いましょう。

ピーリングの費用について

ケミカルピーリングの費用は1回7,000〜15,000円くらいです。
保険適用外治療のため、クリニックによって開きがあります。
料金はクリニックごとに異なるため、最初に確認しておきましょう。
また、施術は肌のターンオーバーに合わせて1ヵ月に1~2回のペースで、5~6回行うのが理想的です。

まとめ

ケミカルピーリングは、ニキビを始め、ニキビ痕、しみ、しわ、くすみ、開いた毛穴に効果的な総合的なスキンケアです。
あきらめかけていたニキビ跡も、ケミカルピーリングと施術後のスキンケアで、きれいな肌に戻ります。
市販のピーリング剤を使って自分で行うピ-リングでは落としきれない、古い角質や毛穴の汚れを除去することができます。
一人で悩まずに気軽にカウンセリングを受けましょう。

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