液体窒素で行ういぼ除去

液体窒素で行ういぼ除去

いぼ(尋常性疣贅)の除去で用いられる液体窒素による「冷凍凝固療法」。マイナス196度の液体窒素を綿棒に染み込ませ、いぼを急速冷凍することで壊死させる施術法です。そんな、いぼ除去における液体窒素を用いた「冷凍凝固療法」の概要や特徴・治療の流れについて解説します。(当院ではCO2レーザーと切除法治療のみ)

液体窒素を使った冷凍凝固療法とは?

液体窒素による冷凍凝固療法は、マイナス196度の液体窒素を使って、いぼの患部の「凍結」と「融解」を繰り返す治療法です。「融解」とは、”溶かすこと”を意味します。

液体窒素の「身体に付着すると凍傷を引き起こす」という特徴を活かし、いぼの除去をしたい患部に液体窒素を染み込ませることで、患部を凍傷の状態にするのです。凍傷の状態になった患部は、やがて壊死していき、いぼの下の皮膚が細胞分裂をはじめていき、いぼの取れた新たな皮膚が再生するのです。

肌は日々ターンオーバーと呼ばれ、一番下の層である「基底層」から上へ上へ押し上げられることで、新しい肌が形成されていきます。液体窒素を使った冷凍凝固療法では、いぼ部分の「凍結」→「壊死」→「融解」→「新しい肌の形成」を繰り返し、やがていぼが消えたキレイな肌に変えていきます。

いぼ除去における冷凍凝固療法の特徴

では、液体窒素を用いた冷凍凝固療法にはどのような特徴(メリット・デメリット)が存在するのでしょうか。

液体窒素でいぼ除去をはかる際の一番のデメリットは、液体窒素をいぼの患部に押しつける時に、強い痛みが生じるということ。マイナス196度という超低温ですので、冷たいを通りこして痛いです。メリットとして、冷凍凝固療法は子ども(小児)でも行なうことができるのですが、施術時の痛みに耐えられないお子さんも多いと思います(大人でも痛い)。

炭酸ガスレーザーの治療法はこちら

ただし、冷凍凝固療法は何度も行なうことができ、医療保険の適応である点はメリットといえます。そのほか、術後は患部にいわゆる凍傷の反応が見られるケースがあります。具体的には「血豆」や「水ぶくれ」といった症状です。これは自然にカサブタが剥がれ治りますが、少し痛みや気になってしまうというケースもあるでしょう。

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冷凍凝固療法の治療の流れ

最後に、液体窒素を用いた冷凍凝固療法の一般的な治療の流れについて説明したいと思います。まずは、液体窒素をいぼの患部に押し当てるための綿棒を準備します。綿棒はいぼの大きさに合わせて、押し当てる先に綿(めん)を巻いて、よく染み込むように補強します。

次に、安全に考慮して適切に管理されている液体窒素を先ほどの綿棒の先の綿(めん)に染み込ませます。そして、いぼ除去を行ないたい患部にトントンと押し当てます。押し当てる回数や強さは、いぼの大きさや形状によって適切な具合が異なり、施術を行なう医師のさじ加減次第であるといえます。

1度目の施術が終了したら、その日は終了で経過を観察します。施術から2日目くらいになると水ぶくれのような状態になり、5日目くらいになると水ぶくれがカサブタに変わります。8日目くらいになるとカサブタがとれ、除去が完了していればもうイボはなくなっていると思います。まだ、イボが残っているようであれば、2回目の冷凍凝固療法を行います。

いぼの形状にもよりますが、通常は1回でいぼが完全に取れることはなく数回は必要。特に、足の裏のいぼでは10回ほど治療を繰り返すこともあります。治療を繰り返す場合は、一般的には3週間に1度のぺーずで行います。

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まとめ

・冷凍凝固療法はマイナス196度の液体窒素をいぼにあて、凍傷を起こし除去・肌の再生をはかる治療法
・冷凍凝固療法は繰り返し治療できるが、治療時に強い痛みを伴う場合がある
・冷凍凝固療法でいぼの除去を行なう場合、数回の治療が必要なケースが多い