近年では薄毛に悩む女性が増えており、AGA(男性型脱毛症)に対し、FAGA(女性男性型脱毛症)やFPHL(女性型脱毛症)などの女性特有の薄毛の症状もあります。
そんな中でも「びまん性脱毛症」は女性の薄毛症状の一つで、髪全体のボリュームが減ってきたり、分け目が目立つなどの症状があります。
びまん性脱毛症は対策や治療が遅れると進行する一方なので、びまん性脱毛症になる原因や治療方法、対策方法を知り早めにケアしていきましょう。
本記事ではびまん性脱毛症について、症状や原因、治療方法について詳しく解説していきます。
びまん性脱毛症とは?
びまん性脱毛症とは薄毛症状の一つで、毛髪が細く痩せていくことによって髪全体のボリュームがなくなってきたり、分け目が目立ちやすくなります。
びまんとは「広がりはびこる」という意味で、びまん性脱毛症は意味通り頭皮全体に広がってしまうのです。
全体的に抜け毛が増え始め、まばらに抜けるため気づきにくいことがあります。
30代後半から40代前半の女性に多いので、毛が細くなって髪全体が薄くなってきたと感じたら、びまん性脱毛症を疑っていいでしょう。
20歳以上の女性の約40%が生涯において一度は発症するといわれているため、珍しい症状ではありません。
男性でも発症するケースがありますが、男性の場合はAGA(男性型脱毛症)と併発している場合が多いです。
びまん性脱毛症の症状
びまん性脱毛症の症状には以下の5つが見られます。
- 抜け毛の量が増えてきた
- 髪全体のボリュームが減ってきた
- 髪の毛のハリやコシがなくなってきた
- 分け目が目立ち頭皮が透けてきた
- 毛が細くなってきた
AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)は薄毛になる部位や進行具合に特徴が見られますが、びまん性脱毛症は頭皮なので、髪が薄くなる過程に特徴的な症状がありません。
びまん性脱毛症になる原因
びまん性脱毛症になる原因は様々で、複数の原因が重なることもあります。
考えられる4つ原因について見ていきましょう。
ホルモンバランスの変化
女性ホルモン分泌の乱れや減少が原因と考えられています。
女性ホルモンの「エストロゲン」と「プロゲステロン」には、毛髪の成長を促して健康的な毛を生成する働きがあります。
しかし、女性ホルモンは20代後半をピークに30代後半から徐々に減り、45歳前後で急激に減少するため、以前のような健康的な毛を維持することが難しくなるのです。
ホルモンは減少する一方のため、加齢によるホルモン減少が発端となるびまん性脱毛症は、そのままでは回復の見込みはありません。
ストレス
過度なストレスや慢性的に感じているストレスによって、自律神経の乱れや血流が悪くなるなど不調が現れます。
血流が悪くなると毛の成長に必要は酸素や栄養が行き届かなくなるため、毛が細く痩せていってしまうのです。
薄毛が気になり出すと人の目が気になったり、進行するのではという不安などから、さらにストレスがかかるという悪循環になってしまいます。
間違ったヘアケア
薄毛が気になって頭皮ケアをし過ぎる間違ったヘアケアも、びまん性脱毛症の原因になります。
洗浄力の強いシャンプーでゴシゴシ洗ったり、熱いお湯ですすぐと頭皮はスッキリした気になりますが、頭皮環境にはよくありません。
健やかな毛を育むためには、まずは土台となる頭皮環境がよくなくてはいけません。
ブラッシングのしすぎで頭皮を傷つけていたり、髪をしっかり乾かさないまま寝てしまい雑菌を繁殖させてしまうことはないでしょうか。
頭皮環境が悪いとびまん性脱毛症だけでなく、脂漏性皮膚炎など頭皮の湿疹ができる原因にもなります。
髪や頭皮の洗いすぎに気を付けて、洗浄力の弱いシャンプーを使うようにしましょう。
生活習慣の乱れ
毎日3食食べられていなかったり、揚げ物など脂質の多いもの、スナック菓子や清涼飲料水など糖分の高いものばかり食べているなど食生活の乱れはないでしょうか。
身体は食べた物の栄養素からできているため、食生活の乱れはダイレクトに身体に悪影響を与えます。
頭皮や髪に必要な栄養が摂れていないと、毛も成長しないため太くてコシのある毛が生えにくくなります。
糖質脂質の多い食べ物や一日1~2食のドカ食い、3食以上の食べ過ぎなどがあれば、食生活の乱れを徐々に改善していけるといいでしょう。
びまん性脱毛症の治療方法
びまん性脱毛症は治療を行えば進行を遅らせたり改善が見込めます。
びまん性脱毛症の治療方法を見ていきましょう。
外用薬
外用薬は頭皮に直接塗布する薬です。多くの場合「ミノキシジル」が処方されるでしょう。
ミノキシジルは血流をよくする働きがあり、厚生労働省から発毛効果が認められている薬剤です。
ドラッグストアでも発毛剤の医薬品と販売されており、最高濃度は5%になります。
市販で購入できる薬剤ですが、びまん性脱毛症の疑いがあればクリニックでも処方されます。
内服薬
びまん性脱毛症の治療薬としてドイツのメルツ社が開発した「パントガール」という代表的な薬があります。
ドイツで薄毛改善効果が検証されており、世界で初めて効果と安全性が認められた女性用薄毛治療薬です。
パントガールには毛髪の成長を促す有効成分の他、毛髪の形成に必要で毛の主成分であるケラチンを構成するL-シスチン、促進効果のあるビタミンB1などが含まれています。
「飲む育毛剤」といわれており、乱れたヘアサイクルを正常に戻します。
副作用の報告もなく、ミノキシジル外用薬との併用も可能です。
メソセラピー
メソセラピーとは、毛の成長に有効な成分を直接頭皮に注入する治療方法です。
注入治療には毛髪再生医療であるHARG療法やヘアフィラーなどがあります。
採血に使う注射針よりも細い針を使うため、痛みを感じない工夫がされています。外用薬や内服薬を毎日継続するのが苦手な方に向いている治療方法です。
植毛
植毛はびまん性脱毛症の影響を受けていない健康な毛を、薄毛の気になる部分に移植する外科治療です。
自分の毛なのでしっかり根付けば毛が成長し、拒絶反応もないため安全な方法になります。
ただ、自分の毛を使用するため、頭皮全体にびまん性脱毛症の症状が広がっていると治療は難しいでしょう。
移植した毛もびまん性脱毛症になる可能性もあるため、薄毛が気になり出したすぐの段階で始めなければ効果が期待できません。
植毛は大がかりな手術で費用もかかるため、外用薬や内服薬治療をした上で検討するといいでしょう。
かつら
かつらは根本的な治療にはなりませんが、薄毛が気になる部分をすぐにカバーできる即効性があります。
気になる部分にサッと付けられる女性用ウィッグなども販売されているため、ヘアスタイルを楽しみたい方やヘアセットが面倒な方におすすめです。
髪質や髪色に合わせてオーダーもできるため、気軽に利用する女性も多いです。
気になる部分が隠れることで人目が気にならなくなるため、心理的にもストレス緩和効果があります。
びまん性脱毛症とAGAの違い
薄毛の症状としてびまん性脱毛症とAGAが混同してしまいそうですが、進行の仕方や特徴が違います。
- びまん性脱毛症・・女性に多い、頭皮全体が薄くなる
- AGA(男性型脱毛症)・・男性のみ、生え際や頭頂部から薄くなる
AGAの進行は特徴があるため、一見してすぐにわかります。
びまん性脱毛症は女性に多い症状で、AGAのように部分的に脱毛することはありません。
まとめ
びまん性脱毛症の原因や治療方法についてご紹介しました。
適切な治療を受ければ進行を遅らせ、発毛が見込めるため早めの受診が大切です。
治療方法にも色々な種類があるので、薄毛や抜け毛が気になりだしたらまずは受診してみましょう。