体毛が濃いとハゲやすいという噂を聞いたことはないでしょうか。
実際にヒゲや胸毛はしっかり生えているのに、頭髪だけは薄いという男性もいるでしょう。
ヒゲや胸毛は男性しか生えないため男性ホルモンの影響があるので、薄毛にも少なからず影響があります。
本記事では、体毛の濃さと薄毛について関係はあるのか、体毛が濃くなるメカニズム、薄毛になるメカニズムについて解説していきます。
体毛が濃い人の共通点は?
体毛の濃さは個人の認識で程度が変わるため、自分では体毛が濃いと思っていなくても、周りから見たら濃いように見えることもあります。
まず体毛の濃い人の共通点から見ていきましょう。
- 朝ヒゲを剃っても夕方には生えてくる
- ヒゲを剃っても青い
- ヒゲが首まで生えている
- ヒゲの密度が濃い
- 胸毛が生えている
- 指毛がしっかり生えている
- 腕や足が毛によって黒っぽい
上記のような体毛でしたら、体毛が濃いといえます。
体毛が濃いとハゲるという噂の理由
体毛が濃いと必ずしも薄毛になるとは言い切れませんが、体毛が濃い人はAGA(男性型脱毛症)を発症しやすい傾向にあるのは事実です。
体毛の濃さとAGAは男性ホルモンが大きく関係しているため、まずは体毛の濃さや薄毛の原因となる男性ホルモンの働きについて見ていきましょう。
体毛の濃さに影響する「テストステロン」
体毛の濃さは男性ホルモンの「テストステロン」が影響しています。
男性の成長に大きく関わるホルモンでおもに3つの役割があります。
- 骨格や筋肉の成長を促す
- 性欲や性衝動を起こさせる
- 向上心ややる気を働かせる
第二次性徴期を迎えると分泌量が増え、体毛を濃くしたりヒゲを生やしたりします。
思春期に急激に分泌量が増え、20~30代をピークに徐々に減少していくのです。
テストステロンが多い人の特徴です。
- 男性らしい骨格・体格
- ヒゲや体毛が濃い
- エネルギッシュで行動力がある
- ロジカルに分析できる
ヒゲや体毛が濃い人はテストステロンの分泌量が多いため、男性ホルモンが強く影響することがわかります。
しかし、テストステロンは徐々に減少していきますが、AGAはピーク以降の30代後半から見られる症状です。
そのため、体毛の濃さと薄毛の関係性が矛盾するので、薄毛の原因として体毛の濃さは関係なく、別の要因が関係していると考えられます。
AGA発症の原因になる「ジヒドロテストステロン(DHT)」
ジヒドロテストステロン(DHT)とは、テストステロンと、頭頂部や前頭部に存在する還元酵素の「5αリダクターゼ」が結びつくことで生成される男性ホルモンです。
男性ホルモンではありますが、女性でも少量分泌されています。
ジヒドロテストステロン(DHT)も男性の成長に大きく関わっており、年代により役割が変わります。
- 胎児期・・・男性の外性器の形成や発達
- 思春期・・・体毛や声変わりの発現、一次性徴と二次性徴の発達を促す
- 成長期・・・AGA、前立腺肥大や皮脂分泌
テストステロンは年齢とともに減少しますが、ジヒドロテストステロンは年齢とともに産生量が増加します。
ジヒドロテストステロンは、もとはと言えばテストステロンから生成させるホルモンなので、テストステロンの分泌量が多い傾向にある人ほど、ジヒドロテストステロンを生成しやすいといえます。
AGAになるメカニズム
ジヒドロテストステロンはAGAを発症させる原因となります。
AGAが発症されるメカニズムを見ていきましょう。
- 全身を巡っている男性ホルモンのテストステロンと、前頭部や頭頂部に存在する還元酵素5αリダクターゼが結びついてジヒドロテストステロン(DHT)に変換される
- 毛根奥の毛乳頭細胞にある、男性ホルモン受容体のレセプターにジヒドロテストステロンが結合する
- ジヒドロテストステロンが受容体と結合し、脱毛因子のTGF-βを増やして毛母細胞の増殖が抑制され、毛髪の成長期が短縮される
- 抜け毛が増えたり毛が細くなっていく
このような順序でAGAは発症していきます。
通常の毛髪のヘアサイクル(毛周期)は、成長期(2年~6年)→退行期(2週間)→休止期(3~4ヵ月)の期間で一つ一つの毛根が生え変わっています。
しかし、AGAのヘアサイクルは、成長期(数ヵ月~1年)→退行期(2週間)→休止期(3~4ヵ月)と短縮されてしまうのです。
ヘアサイクルが行われる回数には限りがあるため、限界を迎えるとその毛穴からは毛が生えてこなくなってしまいます。
薄毛になると考えられる5つの原因
テストステロンが多いとジヒドロテストステロンを生成しやすくなりますが、AGAは体毛の薄い人でも発症します。
薄毛になると考えられる原因について見ていきましょう。
遺伝
AGAを発症しやすい人は、遺伝的な要素も強く関係しているといわれています。
5αリダクターゼの活性度と男性ホルモンレセプターの感受性は遺伝しやすいとされており、どちらか一方、または両方を遺伝しているとAGAを発症する確率は高くなります。
男性ホルモンレセプターの感受性は隔世遺伝するとも言われているため、両親が薄毛の傾向がなくても、祖父母、またはそれ以前の世代の遺伝を受け継ぐこともあるのです。
また、男性ホルモンレセプターの感受性は母方の家系から遺伝しやすい傾向があると考えられています。
男性ホルモンレセプターはX染色体に存在することがわかっています。
男性の性染色体は「XY」、女性の性染色体は「XX」で、男性のX染色体は母親からしか遺伝しないため、男性ホルモンレセプターの感受性は母方から受け継ぐことになるのです。
ストレス
ストレスが蓄積されると自律神経のバランスが乱れ、血管の収縮に異常をきたしてしまいます。
血管が収縮すると血流が低下してしまい、毛髪や髪の土台となる頭皮に必要な酸素や栄養素が運ばれなくなってしまい、毛髪が栄養不足になってしまうのです。
栄養が行き届かないと毛は徐々に細くなり抜けやすくなってしまいます。
ストレスは頭皮や毛髪だけでなく、身体的にもいい影響はありません。交感神経が優位になって緊張感が高まっているので、体は休まることができません。
ストレスを上手に発散し、溜め込まないように気を付けましょう。
生活習慣
生活習慣の乱れも薄毛になる原因の一つです。
不規則な生活での睡眠不足、運動不足、乱れた食生活を送っていないでしょうか。
AGAを発症する年代は仕事も家庭も忙しい時期と重なりやすいです。
生活習慣の乱れは血行不良や栄養不足、ストレスにもつながります。健康的な頭皮環境や毛髪の成長を妨げるため、意識して生活習慣を整えるようにしましょう。
食事は皮膚や毛をつくる主成分となる、ビタミン類やミネラルをバランスよく摂るようにし、ストレッチなど適度な運動を習慣化するようにしてみてください。
まとめ
男性ホルモンの働きによっては、体毛を濃くしたり頭髪を薄くするなど、毛の成長に対して逆の働きをします。
そのため、体毛が濃いと薄毛になりやすいのか、その関係について理解するためには男性ホルモンについて理解する必要があるでしょう。
体毛が濃いと薄毛になりやすいとは一概には言えませんが、男性ホルモンの働きから見ると、関係は否定できません。
AGAの治療では服薬によってホルモンの働きを調整し、AGAを発症しにくくできます。
そのため、テストステロンの分泌量が多い人の共通点に当てはまったら、早めに対処しておくといいでしょう。