水いぼって何?

水いぼって何?

子どもの肌によくできやすい「水いぼ」。ポツポツのやや水っぽいいぼが、腕や首まわりにできた経験のある方も多いのではないでしょうか。

今、幼稚園生や小学生くらいのお子さんを育てられている方は、まさに日ごろ目にされているかもしれませんね。

そんな「水いぼ」とは、具体的にはどのようなものか。また、予防法や治療法は何なのかについて解説します。

水いぼとは?

水いぼとは、正式名称を「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)」と呼び、ウイルス性の皮膚感染症にあたります。一般的には「水いぼ」と呼ばれるこの症状は、おもに免疫力の低い幼少期やアトピー性皮膚炎などで肌の保護機能が低下しているときにかかりやすいです。

このページのカテゴリーでは、「いぼ」つまり「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」について主に解説していますが、水いぼは名前に同じ「いぼ」がついていますが、発症にいたる原因はまったく異なります。

一般的ないぼ(尋常性疣贅)の原因に関する説明は簡潔に説明するのみ、とさせていただきますが、いぼ(尋常性疣贅)はヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが、引っ掻き傷や粘膜などを通して皮膚に侵入し、過剰に増殖することで発症します。

一方、水いぼは正式名称にも含まれている「伝染性軟属腫ウイルス」が皮膚に接触感染することで発症します。皮膚への侵入経路は、いぼ(尋常性疣贅)と同じく、肌があれていたり引っかき傷のある箇所からの侵入が主です。

水いぼは皮膚感染症ですので、接触を通じて他人(ひと)にうつしてしまうこともあります。また、「自家接種」といって、自分自身の皮膚にも感染を広げてしまうことから、一部の限られた箇所だけでなく、肌の広い面に水いぼが広がることもあります。

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水いぼの症状

水いぼは、1~5ミリほどの小さく水っぽくツヤのあるブツブツが特徴です。原因となる伝染性軟属腫ウイルスが、皮膚内に侵入して発症するまでの潜伏期間は2〜7週間とされていますが、時にはより長い期間潜伏することもあるようです。

水いぼができやすい部位は、身体の中で皮膚が薄くこすれやすい部分。子どもの場合、肌が大人よりも繊細であることもあり、手のひらと足の裏を除く、ほとんどの身体の肌に発症する可能性があります。

水いぼはいぼの中に「水」のような液体が含まれており、「水泡(水ぶくれ)」と同じように感じることがありますが、いぼの中に含まれている液体はウイルスと皮膚の組織が混ざり合ったものです。

水いぼ自体には痛みはなく、かゆみもあったとしても軽度でしょう。軽度のかゆみであったとしても、寝ている時などに掻きむしってしまったことで炎症をおこし、自家接種を広げてしまったり、かゆみを強めてしまう場合があります。

水いぼは必ずというわけではありませんが、ほとんどが幼児から小学生低学年ごろの年齢の子に発症します。特に、肌の弱い子ども。例えば、アトピー性皮膚炎や乾燥肌の子どもは、伝染性軟属腫ウイルスが皮膚内に侵入しやすいので水いぼにかかりやすいといえるでしょう。

水いぼの治療法

では、水いぼが子どもに発症したらどのように対処するべきでしょうか。実は水いぼは、特に痛みやかゆみの程度、発症の範囲が広くないのであれば自然治癒するので治療する必要はありません。治るまでには個人差がありますが、放っておいて1~2年で治ることが多いです。そして、通常であれば感染から6ヶ月から3年程度で免疫ができ、思春期に入るころには新たに感染することは少なくなるでしょう。

子どもが強く痛みやかゆみを訴える、水いぼの範囲が広がってきていると感じる場合で心配な時は、小児科や皮膚科に受診してもいいです。ただし、水いぼに直接的に効果のある治療法はまだ確立していないため、そのほかの肌の炎症や年齢・体質などを考慮して子どもに治療が施されます。

水いぼを取り除く施術は「ピンセットによる摘除」があります。名前の通り、水いぼ専用のピンセット(トラコーマ鑷子)で水いぼの根元をはさんで中の塊(ウイルスと皮膚の混合物)を除去します。皮膚をピンセットでつまむようなかたちになるので、少々痛みを伴うこともあり、お子さんによっては抵抗される可能性もあります。また、お子さんの肌質によっては控えたほうがよい場合もありますので、治療は医師とよく相談のうえで決めましょう。

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最後に、「水いぼはプールでうつることはありませんか?」とご質問をいただくことがよくありますが、プールの水からは感染することはありません。しかし、プールで使うタオルや水泳道具などを通じて感染することはありますので、その点は気を配ることを推奨します。

まとめ

・水いぼは一般的ないぼ(尋常性疣贅)と違い、伝染性軟属腫ウイルスに感染することで発症する
・水いぼは幼児~小学校低学年ごろに発症し、その後は免疫ができ思春期以降は発症しない場合が多い
・水いぼは自然治癒するので特に治療は必要ない。治療する場合は専用のピンセットによる摘除をする