木酢液を使って自分でもいぼを除去することはできるのでしょうか?

木酢液を使って自分でもいぼを除去することはできるのでしょうか?

医学的にエビデンスのない治療法を行うのは危険が伴います。「木酢液を使っていぼは除去できますか?」というご質問をいただくことがあります。木酢液はいぼ除去に効果があるか、自分で治療する方法はあるかについて解説します。

そもそも、木酢液とは?

まず、前提の話として木酢液(もくさくえき)とは、いったい何かについて説明します。木酢液とは、炭を焼いたときに発生する煙を冷やして液体したものです。

日本木酢液協会の定義によると、「木酢液または竹酢液」ともいわれ、水溶液に分類。約90%が水分、残り10%のうち5%が酢酸、そのほかはエステル類やフェノール類、アルコール類など約200種類ほどの有機成分によって構成されています。木酢液に使用される木炭の種類は、ナラ類やブナ類、カシ類などの広葉樹です。

木酢液はいぼ治療にエビデンスがない

さて、冒頭にも書かせていただいた「木酢液でいぼの除去ができるかどうか」についてですが、医学的にはいぼ除去ができるという”エビデンス”はありません。ですから、いぼ除去において、木酢液を用いるのはやめるべきといえます。

確かにネットで調べてみると、例えばAmazonの木酢液の商品クチコミに「木酢液で長年悩まされていたいぼを除去することができた」というコメントも見られますが、医学的に信憑性が薄いので惑わされないようにしてください。正式な病院やクリニックが発信するHPで、木酢液がいぼ除去に効果的であるという言及がないことからも、信ぴょう性の薄さが伺えると思います。

「治療はクリニックで」が原則

イボ除去の治療は、ウィルスを保持しているだけにクリニックで行うのが無難です。前述のようにお灸や木酢液で改善するエビデンスはなく、どんな治療でもプラセボで30%ぐらい効果が出るといわれています。根本的な治療は、クリニックでレーザーや切開で除去することで、最近では高濃度のサリチル酸を用いた治療も行われています。
当クリニックでは、CO2レーザー・切開での除去を行っています。

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では、もし自分でいぼ除去を試みるのであればどうすればいいのでしょうか。
サリチル酸は「皮膚の軟化作用」がある薬液です。サリチル酸を用いた薬品には「イボコロリ(横山製薬)」や「ウオノメコロリ絆創膏(横山製薬)」があります。これらの薬品を説明書きの用法・容量を守っていぼの除去を試みるようにしてください。
ただし、この市販薬・保険適用のサリチル酸は、濃度が10-15%と低くく、疣贅の治療を行うには十分な濃度がありません。あくまでその他の治療の補助に止まります。
この方法で除去を目指すのであれば、効果のある30-50%のサリチル酸の処方をしているクリニックを探して診察に行くのがいいと思います。

まとめ

・木酢液とは炭を焼いたときに発生する煙を冷やして液体にしたもの
・いぼの除去に対して、木酢液は医学的エビデンスはない
・いぼの除去を自分で試みるなら、サリチル酸を用いた医薬品を使用する
・サリチル酸で治療したければ高濃度の処方をしている医院を探す