扁平疣贅(ウイルス性)

扁平疣贅(ウイルス性)

10代の若者に多く発症する「扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)。「いぼ」と一括りにされやすいですが、感染源となるHPVウイルスの方は、一般的ないぼ(尋常性疣贅)とは異なります。「扁平疣贅」の概要について解説します。

扁平疣贅とは?

扁平疣贅(へんぺいゆうぜい:flat wart)は、正式には「青年性扁平疣贅」とも呼ばれます。名前にも含まれているように、思春期の年代に多く発症するウイルス性のいぼの一種。北海道大学皮膚科がWeb上に掲載している資料によると、特に青年期の女子に多く発症するとあります。

顔(額や頬)や手背(手の甲)によく発症し、「扁平」という名前の通り、一般的ないぼのように山のように盛り上がるのではなく、ひらぺったく盛り上がり直径にして数mm~1cmほどの多さで、一度に複数周辺に発症することが多いです。

扁平疣贅の色は、ほとんど肌の色と変わらないか淡い紅色をしており、痛みなど自覚症状はなく、放っておいても年齢とともに自然に治るケースが多い(ただし、数年にわたり消えないケースもある)。

では、何が一般的ないぼ(尋常性疣贅)と違うのかというと、先ほども説明した形状(ひらぺったいということ)に加え、感染源となるHPVウイルスの”型”が異なることにあります。具体的には、HPV2a/27/57型が感染元である尋常性疣贅に対して、この扁平疣贅はHPV3/10型の感染によって発症します。

なので、扁平疣贅の特徴は「青年期にできやすいこと」「ひらぺったく薄い紅色であること」「HPV3/10型が感染して発症すること」と覚えておいてください。

扁平疣贅の感染経路

扁平疣贅に限らず…ではありますが、HPVウイルスによるいぼは肌への接触によって感染します。厳密にいうと、皮膚や粘膜の「上皮系幹細胞」にHPVウイルスが感染し、良性腫瘍性増殖を繰り返した結果、いぼに至ります。

扁平疣贅は感染力が高いか、というとそうではありません。しかし、身体の免疫力が弱くなっていたり肌があれていたり、HPVウイルスが皮膚内に侵入できる傷(ひっかき傷やかすり傷)があると、扁平疣贅を引き起こしやすくなります。

特に、周囲の目が気になりやすい思春期に扁平疣贅はできやすいので、女性も男性も深刻に悩まれる方もいらっしゃるかもしれません。免疫力を下げないように「健康的な生活を送る」、肌荒れを防ぐために「肌を清潔に保ち丁寧に保湿する」など日頃から感染しにくい肌環境の維持を意識しましょう。ただ、扁平疣贅の範囲が広くなかなか治らない場合は、当院にお気軽に相談してみてください。

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まとめ

・扁平疣贅は正式には青年性扁平疣贅といわれ、思春期(特に女性)に多く発症する
・発症する部位は顔(額や頬)でひらぺったく盛り上がり、肌色から淡い紅色をしている
・HPV2a/27/57型の尋常性疣贅と違い、HPV3/10型が扁平疣贅の感染元のウイルスである