いぼの原因ってなに?

いぼの原因ってなに?

足の裏や顔まわりなど身体のいたる箇所にできることのある「いぼ」。見た目も肌ざわりも決して気持ちよいものではない「いぼ」は、いったいどのような原因でできるのでしょうか。「いぼができる原因」について解説します。

いぼの種類

いぼができる原因を解説する前に、いぼの種類について分類を明確にしておきたいと思います。いぼは大きく分けると、主にウイルス感染が原因で発症する「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」と老化が原因で発症する「老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)」の2つに分けられます。

いぼの形やサイズは個体差がありますが、通常は数mmから1cmほどの大きさ、盛り上がりができます。身体に単体でポツンとできるケースもありますが、まとまっていくつもいぼが発症するケースもあります。

前者の尋常性疣贅は、厳密には四肢や手背(しゅはい:指と手首を除いた手の部分)・足背(そくはい:足の甲)にできるいぼのことを指し、足の裏や手のひらにできるいぼを「指状疣贅(しじょうゆうぜい)」。

顔や頸部(けいぶ)にできるいぼを「扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)」、肛門や外性器にできるいぼを「尖形(せんけい)コンジローマ」と呼ぶなど、病名を細かく分けて説明される場合もあります。

しかしながら、原因となるウイルスが共通であることから、細かい分類が可能な疣贅もひとくくりに「尋常性疣贅」と説明される場合も多いです。

この記事でもウイルスの感染により発生するいぼは、ひとまとまりに「尋常性疣贅」として解説します。厳密ないぼに関する解説は以下の「いぼの種類」のページで解説しておりますので、詳しく知りたい方はそちらをチェックされてみてください。

いぼの種類

尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)の原因

尋常性疣贅は「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というウイルスが感染することによって発症します(以降、HPV)。HPVにはいくつかの種類がありますが、一般的な尋常性疣贅の原因となるのは「HPV2型」にあたります。

HPVはヒト乳頭腫ウイルスの一種に分類され、本来、健康的な肌に触れることで感染することはほとんどありません。では、何が原因でHPVに感染してしまうのかというと、肌に生じる”引っ掻き傷”や”かすり傷”などの傷にHPVが触れることで、皮膚の中にウイルスが侵入してしまうためです。

肌は表面から順に「角質層」「顆粒層(かりゅうそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層(きていそう)」という層によって構成されています。肌にできた傷から皮膚内に侵入したHPVは、やがて基底層まで到達し、基底細胞と呼ばれる細胞に感染します。そして、基底層に感染したHPVが増殖を繰り返すことによって、いわゆるいぼ・・つまりは尋常性疣贅が形成されるのです。

先ほど、HPVに感染する原因は肌への引っ掻き傷やかすり傷から侵入することと説明しましたが、それらに加えて、アトピー性皮膚炎を患っていて肌のバリア機能が低下しているときや、風邪やインフルエンザの発症で免疫機能が低下しているときも感染しやすくなる恐れがあります。口まわりや外陰部などの「粘膜」にできる尋常性疣贅は、これらの粘膜にHPVが直接触れることで感染することもあります。

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老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)の原因

老人性疣贅は別名「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」とも呼ばれ、HPVというウイルス感染がもとになる尋常性疣贅とは違い、老化によって発症するいぼです。厳密には、肌の表面部分にある「表皮」の細胞「ケラチノサイト」が異常に増殖し、肌が盛り上がることで形成されます。

老人性疣贅は尋常性疣贅と同じく、身体の特定の部分のみというわけでなく、身体のどこでもできる可能性があります。大きさは個体差がありますが、数mmから1cmくらいの大きさで盛り上がるのが一般的です。色は黒褐色(黒みがかった茶色)から黒色が多いでしょう。

老人性疣贅に似ているいぼの症状に、特に首筋にできる「ポツポツ」「ブツブツ」としたシミのようなイボには「スキンダッグ(糸状疣贅)」があります。同じく老化によって発症しますが、人によっては20代からなど若くからできることがあります。

尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)の予防

老人性疣贅は主に老化が原因ですので、尋常性疣贅の予防に限り解説したいと思います。尋常性疣贅はご説明した通り、HPVが皮膚内に侵入することで感染します。ですから、HPVに触れないこと、皮膚に侵入させないことが大事。

むやみに肌を掻いたりして傷をつくらないようにする、手足をはじめ身体を清潔に保つことを日頃から意識するようにしましょう。また、ご家族や同居している方が尋常性疣贅を発症した際には、共有して肌に触れる可能性のある、バスマットやタオルをこまめに洗濯する、できれば共有して使わないことが予防に繋がります。

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まとめ

・いぼは大きく「尋常性疣贅」と「老化性疣贅」に分けられる
・尋常性疣贅はヒトパピローマウイルス(HPV)が肌の傷などから皮膚内に侵入することで発症する
・老化性疣贅は主に老化によって発症する