なぜほくろは大きくなるのか?

なぜほくろは大きくなるのか?

最近、小さかったほくろが大きく変化していることはありませんか? ほくろが大きくなるのにはいくつかの原因があります。涙ぼくろのように魅力的に映るほくろを除いて、美容のために、できることならほくろは増やしたくないはず。

この記事では「ほくろを大きくさせる原因」について解説をしていきます。また、形状が変化するほくろにはメラノーマ(悪性黒色腫)である危険性もあるため、悪性のほくろの特徴についても、あわせてお伝えします。

ほくろはいくつかの理由で大きくなる

「ほくろが大きくなっていて気になる……」。美しい外見を保っていきたいと願う女性にとって、ほくろが増えることは、できることなら避けたいことでしょう。

ほくろが大きくなる理由には、特定の明確な要因があるわけではありません。ですが、”ほくろを大きくすること”に影響を与える一要因は明らかになっています。

前提の話として、ほくろは肌の基底層という部分で生成されるメラノサイトがメラニンを作り、皮膚の一部に集まってしまうことで生まれる身体にとって良性のできものです。つまり、”なんらかの理由”でメラノサイトが過度に活性化することが、ほくろを大きくする要因といえます。

そして、この肌のメラノサイトを活性化させる主な要因は「紫外線」「外的な刺激」「生活習慣の乱れ」の3つです。

紫外線

メラニン色素は紫外線から肌を守る働きをもっています。太陽の光から浴びる紫外線をメラニン色素が吸収して、皮膚の細胞が傷つくのを防いでくれるのです。

ところが無防備な日焼けにより過度に紫外線を浴びたり、紫外線対策を怠っていると、肌のメラノサイトが過剰に活性化しメラニンも多く作られてしまいます。すると、メラニンの排出に肌のターンオーバー(新陳代謝)が間に合わなくなり、結果としてほくろが大きくなってしまうことがあります。

紫外線はイメージでは日照りの強い夏場に多い印象ですが、気温の低い冬場であっても紫外線は降り注いでいます。紫外線対策は夏場だけに限らず、一年を通じて行なうようにしましょう。

外的な刺激

「普段、着ている衣服や下着が肌を締め付け過ぎている」「靴を履くと同じ足裏の部分が擦れたり圧迫している」。このように、肌に対して外から過度な締め付けや刺激が長時間加わると、肌にメラニンが生成されやすくなります。

衣服や下着・靴による外からの強い締め付けは、ほくろの生成だけでなく、身体の血行を悪くする恐れもありますので、なるべく避けるようにしましょう。また、洗顔やメイクによる強い刺激によっても、メラニンを生成しやすくなります。特に女性の場合は、肌にあった洗顔やメイクで優しく肌を触るように意識しましょう。

生活習慣の乱れ

栄養の偏った食生活や睡眠不足、蓄積された疲労やストレスなどの生活習慣の乱れは、ほくろを大きくする要因になります。生活習慣が乱れると男女ともにホルモンバランスが崩れやすくなるため、メラニンの排出も滞りやすくなるのです。

特に女性の場合は、生理や妊娠・出産時に女性ホルモンのひとつである「プロゲステロン」の分泌が活発になることによってメラニンの生成量も増えるため、ほくろが大きくなりやすいでしょう。

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悪性黒色腫(メラノーマ)は早期発見を

皆さんに馴染みあるほくろは、身体にとって”良性のほくろ”なので、美容の点では気になったとしても身体にとっては害はありません。しかし、「ほくろが左右非対称に大きくなってきた」「形状や色が変わってきた」としたら、皮膚ガンの一種である「悪性黒色腫(メラノーマ)」である危険性もあります。

「ほくろが大きくなる」というテーマでは解説を省くことがはばかられますので、記事では「悪性黒色腫(メラノーマ)」の特徴についてもお伝えします。「悪性黒色腫(メラノーマ)」の特徴と一致がみられる場合は、早期発見・早期治療が大切なので早めの皮膚科受診をすることを推奨します。

注意すべきほくろの特徴

悪性黒色腫(メラノーマ)の症状には下記のような5つの特徴があります。

A. 「Asymmetry:左右が非対称」→ 不均一な形になる
B. 「Border :辺縁が不明瞭」→ 輪郭がギザギザしている
C. 「Color :色」→ 色むら、色調が均一でない
D. 「Diameter:直径」→ 直径が6㎜以上
E. 「Evolving:変化」→ 大きさが拡大する、色や形、症状が変化する

現時点ではほくろと見られる腫瘍が、上記の変化をここ1〜2年で見せている場合は、悪性黒色腫(メラノーマ)である可能性がないと言い切れませんので注意しましょう。さらに具体的な注意すべきほくろの変化は以下です。

色の変化

通常、ほくろの色は黒っぽいこと多いですが、そのほか茶色だったり通常の肌色だったりすることもあります。しかし、薄い茶色が濃い黒色や青色や白色・灰色に変化することがあります。

また、ほくろの色が薄くなったり濃くなったり。まだら模様になったり色が抜け落ちることもあります。このようにほくろの色が変わる場合は悪性黒色腫(メラノーマ)である可能性があります。

大きさの変化

通常ほくろの大きさは、2~3㎜の場合がほとんどです。その大きさがここ1〜2年以内に少しずつ大きくなり5~6㎜以上になったら注意が必要です。短い期間でいきなり大きくなっているものは、悪性黒色腫(メラノーマ)の可能性も視野に入れるべきでしょう。

形の変化

ほくろの形は通常、丸い形または楕円形で左右対称であることが多いです。しかし、悪性黒色腫の疑いがある場合のほくろは歪んでいて左右が不対称に変わってきます。また、濃い部分が徐々に膨らんでくるものも注意が必要です。

固さの変化

ほくろは一般的に柔らかく全体が均一な固さです。悪性黒色腫(メラノーマ)の疑いがある場合は、ほくろの一部が固くなる、またはほくろそのものが固くなることがあります。ほくろが固くなるようなら、ほかの変化もチェックしましょう。

爪の変化

爪にできるほくろには注意が必要です。爪にできる悪性黒色腫(メラノーマ)の初期では爪に黒色の縦線があらわれるだけで見た目は爪甲色素線条(縦の筋)と区別がつきません。

しかし、悪性黒色腫(メラノーマ)の場合は6ヶ月から1年ぐらいの短い期間で爪甲色素線条の色が濃くなったり筋の幅が広がります。「爪が割れる」「色素がしみ出してくる」などの症状があらわれると進行している可能性が高くなります。

参考:『国立がん研究センター がん情報サービス』悪性黒色腫(皮膚)

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まとめ

記事では「ほくろが大きくなる理由」について解説してきました。美容を意識する女性の多くは、陶器のような透明感のある肌を理想にされていると思います。

透明感のある肌に向けて、望まないほくろの拡大は避けたいことでしょう。小さいうちに除去することは「リスク」「傷あと」「コスト」の面でメリットがあります。少しでも「大きくなったほくろを除去したい」とお悩みの方は、肌の専門医のいる美容クリニックへご相談されてみてはいかがでしょうか。

当院では、いつでも皆さんのご来院をお待ちしております。