眼瞼下垂手術の概要

眼瞼下垂とは、上まぶたが下がることによって視界が狭くなる状態を指します。この病態は、まぶたを持ち上げる機能が低下することに起因します。その原因は神経疾患や筋肉の力が不十分であること、及び腱膜の緩みなどがあります。特に上方の視野が制限されるため、日常生活において不便を感じることがあります。
眼瞼下垂手術の主な目的は、まぶたを持ち上げる機能を再建し、視界を改善することです。最も多い原因である腱膜性眼瞼下垂症に対しては、まぶたの中にある眼瞼挙筋の腱膜を短縮あるいは前転させ、再び瞼板に固定することで、腱膜の緩みを改善させます(以下、挙筋腱膜前転術)。この手術は、片眼で約45分、両眼で約90分程度の時間を要します。局所麻酔で行えるため、日帰りでの施術が可能です。手術後は視界が改善され、日常生活の質が向上することが期待されます。

眼瞼下垂の手術は、加齢や先天性の眼瞼下垂に悩む方々に特に有効です。
生まれつきの眼瞼下垂は、筋肉の発達不全が原因です。筋力低下の程度によっては前述の挙筋腱膜前転術で十分な改善が可能です。ただし筋肉の力が不十分である場合には筋膜移植術という術式が必要となることがあります。
加齢によるものは筋肉の変性や腱の弛緩が影響します。これらの患者様は、視覚的な問題だけでなく、日常生活における不便さを感じることが多く、手術によってその改善が期待されます。手術を受けることで、見た目の改善だけでなく、機能的な問題も解消されることが多いです。
眼瞼下垂の手術は、視覚的な問題を解決するだけでなく、頭痛や肩こりの改善にも寄与します。まぶたが下がることで、無理におでこの筋肉を使ってまぶたを持ち上げようとするため、肩や首に負担がかかり、肩こりや慢性的な痛みを引き起こすことがあります。手術によってまぶたの位置が正常に戻ることで、これらの症状が軽減され、患者の生活の質が向上することが期待されます。

手術の方法

手術は、主に以下のような方法で行われます。手術は通常、局所麻酔下で行われ、片目の場合は約45~60分、両目の場合でも90~120分程度で終了します。日帰り手術が可能です。

眼瞼下垂の手術方法は複数あり、当院では挙筋腱膜前転術の方法で対応しております。

挙筋腱膜前転術

まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)の腱膜を短縮し、まぶたを持ち上げる力を伝わりやすくする手術です。特に腱膜性眼瞼下垂に適応されます。

眉毛下皮膚切除術

まぶたの皮膚がたるんでいる場合、余分な皮膚を切除することで視界を改善します。これは挙筋機能が保たれているケースや、挙筋腱膜前転術後に追加で行われます。

前頭筋吊り上げ術

まぶたを持ち上げる筋肉が機能しない場合に、おでこの筋肉を利用してまぶたを持ち上げる方法です。吊り上げるための材料の移植が必要です。多くは太もも(大腿)の筋膜を使用します。神経麻痺や先天性眼瞼下垂症、重度の眼瞼下垂に用いられます。

手術後の回復

手術後は腫れや内出血が起こります。大きな腫れは通常1週間程度で改善します。完全な回復には半年ほど経過を見る必要があります。術後は安静が求められ、特に初日はアイシングなどで腫れを抑えることが重要です。

注意点

・手術は保険適用が可能ですが、美容目的の場合は自費となります。(当院では自費診療扱いとなります)
・術後の左右差や形状の変化が生じる可能性があります。必要に応じて修正手術が行われることがあります。
・修正術を行う一番のリスクは術前の左右差と言われております。術前から左右の目の開き具合や眉毛の高さに差がある場合にはより繊細な調整が必要であり、またそれが難しいことが少なくありません。

眼瞼下垂手術は見た目だけでなく、機能的な改善にも寄与するため、多くの患者にとって有益な治療法と言えます。

挙筋腱膜前転法

挙筋前転法は、眼瞼下垂の治療において非常に有効な手術方法の一つです。この手術では、まぶたを切開し、眼瞼挙筋腱膜を短縮して瞼板に固定します。
具体的には、まぶたのラインに沿って2~3cm程度(目頭から目尻を少し超えたところまでを)切開します。まぶたの開け閉めの機能は非常に繊細であり、時に閉じる力が強く開けにくくなっていることがあります。これを開瞼抵抗があると表現したりします。開瞼抵抗の強い場合にはより丁寧に広く剥離操作を行い瞼が開きやすい状態を準備する必要があります。、眼瞼挙筋腱膜を短縮し、再び瞼板に縫い付けます。この手術は、左右のバランスを意識しながら行われるため、仕上がりが自然で美しいものになります。手術の成功には、熟練した技術が求められます。

ミュラー筋タッキングは、眼瞼下垂の治療において、特に軽度から中等度の症例に適した手術法と言えます。この手術では、瞼板にミュラー筋を固定することで、まぶたの開きを改善します。ミュラー筋は、眼瞼挙筋と連携してまぶたを持ち上げる役割を果たしており、これを短縮することで、より自然な開瞼ラインを実現します。この方法は、硬い腱膜を外し、柔らかい筋肉を利用するため、術後の仕上がりが美しく、患者の満足度も高いとされています。

眼瞼下垂手術の流れ

眼瞼下垂手術の流れは、まず診察から始まります。医師は患者の状態を確認し、手術の必要性を判断します。次に、局所麻酔が施され、患者様はリラックスした状態で手術に臨むことができます。手術自体は、まぶたを切開し、眼瞼挙筋やミュラー筋を適切に固定することで行われます。手術後は、経過観察が行われ、腫れや内出血の状態を確認します。このように、手術は段階的に進行し、患者様の安全が最優先されます。

手術の効果

眼瞼下垂手術は、まぶたを持ち上げる機能を改善することで、視界を大幅に改善します。手術によってまぶたが上がることで、視野が広がり、日常生活における視覚的なストレスが軽減されます。特に、視界が狭く感じる方や、まぶたが重くて目を開けるのが困難な方にとって、この手術は非常に有効です。視界の改善は、仕事や趣味、さらには運転などの活動においても大きな利点となります。

手術後の見た目の変化も重要な要素です。まぶたが上がることで、眠たそうな印象が改善され、若々しい外見を手に入れることができます。特に、加齢や疲労によって目元が老けて見える方にとって、この手術は自信を取り戻す手段となります。見た目の改善は、社会的な交流や自己評価にも良い影響を与え、精神的な健康にも寄与します。

眼瞼下垂手術は、視覚的な改善だけでなく、生活の質の向上にも寄与します。まぶたが下がることで引き起こされる頭痛や肩こりの軽減が期待でき、日常生活が快適になります。特に、長時間のデスクワークやパソコン作業を行う方にとって、これらの症状の緩和は大きなメリットです。手術によって得られる身体的な快適さは、精神的なストレスの軽減にもつながります。

眼瞼下垂手術の効果は、一般的に5~10年持続するとされています。この持続期間は、手術の種類や個々の体質、生活環境によって異なることがありますが、長期的な効果が期待できる点は大きな魅力です。手術後の経過をしっかりと管理し、必要に応じてメンテナンスを行うことで、より良い結果を維持することが可能です。

手術のリスク

手術後の腫れや内出血

眼瞼下垂手術後、腫れや内出血は一般的な反応であり、特にまぶたは血管が豊富なため、これらの症状が顕著に現れます。通常、腫れの大部分は手術後1週間で改善し、内出血も同様に約2週間で引きます。

手術直後の状態

手術直後は、まぶたがむくんだ状態になり、目脂が多くなったりします。見た目にも影響を与えることがありますが、時間の経過とともに自然に回復します。

手術後のアフターケア

術後のケアとして、冷やすことが効果的であり、腫れを軽減する助けになります。これにより、ダウンタイムを短縮することが可能です。

手術後の傷跡

傷跡は二重のラインと一致するため目立たないことが多いです。
もともと二重のラインが3重になっていたり、上まぶたが痩せて窪んでいる場合には予定外の二重のラインができてしまうことがあります。

手術後、まぶたが開きやすくなることで、ドライアイの症状が現れることがあります。これは、目が乾燥しやすくなるためで、特に外出時には風や光の影響を受けやすくなります。術後数ヶ月程度はこの症状が続くことが多く、適切な目薬の使用が推奨されます。サングラスを着用することで、外的刺激から目を守ることも有効です。ドライアイの症状は通常、時間と共に改善しますが、注意深いケアが必要です。
手術後、まぶたの開きに左右差が生じる可能性があります。左右差は時間の経過とともに改善することが多いですが、初期の段階では不自然に見えることもあります。

眼瞼下垂手術後に内側の上がりが弱いことがあります。これは眼瞼挙筋の挙筋腱膜が目頭側では薄いことにより固定性が弱く十分に瞼を上げることができないためです。
手術前に医師とのカウンセリングを十分にしていただきます。これにより、術後の不安を軽減し、満足のいく結果を得る可能性が高まります。
眼瞼下垂手術後、再発の可能性があることも考慮しなければなりません。特に、アレルギー性疾患による痒みなどでまぶたや目の周辺をこする癖がある方や、ハードコンタクトレンズを使用している方は注意が必要です。再発は手術後すぐには起こりにくいですが、数年後に再手術が必要になるケースもあります。手術を受ける際には、医師と再発のリスクについてしっかりと話し合い、適切なアフターケアを行うことが重要です。これにより、再発のリスクを最小限に抑えることができます。

術後の回復期間

眼瞼下垂手術のダウンタイムは、通常1週間から1ヶ月程度とされています。この期間中、患者様は日常生活において制限を受けることが多く、特に手術部位の腫れや内出血が目立つため、周囲の目を気にすることが少なくありません。術後の回復には個人差があり、特に腫れが引くまでの時間は、手術の種類や患者様の体質によって異なります。一般的には、腫れが完全に引くまでには数ヶ月を要することもあります。これにより、患者様は術後の生活において注意が必要です。

手術後の腫れは、通常術後2~3日目にピークを迎えます。この時期は、まぶたがむくんだ状態となり、見た目にも大きな影響を与えます。腫れは、手術による炎症反応の一部であり、血管が豊富なまぶたでは特に顕著です。腫れが引く過程は個人差があり、通常はその大部分が1週間から10日程度で改善が見られますが、内出血がある場合はさらに時間がかかることがあります。術後のケアとしては、特に初日はアイシングなどで腫れを抑えることが重要です。

眼瞼下垂手術後の仕事復帰については、職種によって異なります。軽作業であれば、手術翌日から復帰することが可能ですが、見た目が気になる場合は、1ヶ月程度の休養を推奨します。特に、周囲の目を気にする職業の場合、腫れが落ち着くまでの期間を考慮することが重要です。一般的には、術後3日程度で肉体労働などの激しい仕事でなければ復帰可能ですが、見た目の回復を重視する場合は、より長い休養が望ましいです。

眼瞼下垂手術後、通常は1週間後に抜糸が行われます。この時期には、術後の経過を確認するための診察が行われ、傷が適切に癒合しているかどうかがチェックされます。抜糸は、傷の状態によっては数日遅れることもありますが、一般的には問題がなければ予定通りに行われます。抜糸後は、腫れが徐々に引いていくことが期待され、患者様は日常生活に戻る準備が整います。術後のケアをしっかり行うことで、回復を早めることが可能です。

選択肢と代替療法

眼瞼下垂の治療法として、切らない手術が注目されています。特にミュラー筋タッキング法は、まぶたを持ち上げる筋肉の機能を改善するための手法であり、ダウンタイムが短いのが特徴です。この方法では、まぶたの内側からアプローチし、ミュラー筋をタッキングすることで、まぶたの位置を調整します。これにより、患者は術後すぐに日常生活に戻ることが可能で、特に忙しい方にとっては大きな利点となります。手術の選択肢として、こうした非侵襲的な方法が増えているのは、患者のQOL向上に繋がる重要な進展と考えております。

アイプチなどによる二重がすぐに外れてしまうような一重の方はまぶたの動きが少ないためであり、先天的に軽度の眼瞼下垂がある可能性があります。これが通常の埋没法や切開法による重瞼術では後戻りしやすい原因であると考えられます。そのような一重の方には眼瞼下垂に対する手術を応用することがより理想のまぶたを得られる可能性があります。ただしこの場合には日常生活に支障がないため医療的な必要性に基づかないと見なされ保険を適応することは難しいです。

手術を受ける前には、十分なカウンセリングが非常に大切です。専門医との面談を通じて、患者様の状態に応じた最適な治療法を提案されます。このプロセスでは、患者様の不安や疑問を解消することができ、より安心して手術に臨むことが可能となります。

よくある質問

手術中の痛み

眼瞼下垂手術において、麻酔が施されるため、手術中の痛みはほとんど感じることがありません。特定の部位においては痛みを感じやすいため、適宜麻酔薬を追加します。術後には軽度の痛みが生じることがありますが、通常は痛み止めの内服薬が処方され、患者様の多くはそれを必要としない場合もある為、比較的快適に回復を迎えることができます。

手術後の腫れ

手術後の腫れは、通常1週間続くことが一般的です。ほとんどの場合、術後1週間で抜糸が行われますが、この時点でも腫れは残っています。腫れは徐々に改善し、2週間後には泣いた後のような状態にまで回復しますが、完全に落ち着くまでには数ヶ月を要することがあります。この期間中は、腫れを軽減するための適切なケアが重要です。

手術による傷跡

手術による傷跡は、二重のラインに沿って切開されるため、目立ちにくいのが特徴です。術後の傷は、時間と共に色が抜け、通常は6ヶ月ほどで目立たなくなります。目を開けているときには、傷が二重のラインに隠れるため、外見上の影響は最小限に抑えられます。

眼瞼下垂手術後の再発や左右差

眼瞼下垂手術後には、再発や左右差が生じる可能性があります。特に、左右の目の開きが不均一になることがあり、気になる場合は再手術が必要となることもあります。このため、手術前のカウンセリングでリスクを十分に理解し、術後の経過を注意深く観察することが重要です。

料金表

眼瞼下垂手術【モニター】

価格(税込)
眼瞼下垂50%OFF 199,000円

眼瞼下垂手術

価格(税込)
眼瞼下垂 398,000円

ご予約フォーム

下記項目にご入力の上、送信ボタンをクリックしてください。
は必須項目です。
半角カタカナ、環境依存文字は文字化けの原因となりますので、使用しないで下さい。

診療メニュー
希望日時
第一希望
第二希望
第三希望
当日の治療を
ご希望されますか?
メールアドレス
性別
お名前(フリガナ)
生年月日(西暦)
年齢 歳 未成年者の方は保護者の同意が必要です。(同意書ダウンロードはこちら
電話番号
既往歴
ありとご回答の方はコメント欄に
詳細(病歴・アレルギー等の内容)を
ご記入ください。
コメント(ご相談・ご質問など)

個人情報保護方針はこちら

どうぞお気軽にご来院ください!

KM新宿クリニック

〒160-0021
東京都新宿区歌舞伎町2-46-5
KM新宿ビル8F

>>Google Map

03-5272-0212
ご予約は
こちら
ご予約 お問合わせ
ご予約 電話予約