顎は、おでこや鼻のTゾーンと比べて、乾燥しやすい部位です。
そのため、頬杖をついたり顎を触ると、無意識に爪先などで肌を傷つけてしまうことがあり、炎症やニキビができやすくなります。
顎にニキビができると、洗面時などに鏡を見るたびに、気分も滅入ってしまいがちです。
顎にできるニキビの原因を知ることで、予防や改善方法も見えてきます。
顎のニキビの原因
男性の顎のニキビの外的原因は、毎日のひげ剃りによる刺激で、女性はクレンジング剤やファンデーションの落とし残しが多いようです。
一方、内的原因としては、男性も女性もホルモンの分泌異常が考えられます。
顎のニキビにかかわらず、ニキビの原因は、「過剰な皮脂」「毛穴の詰まり」「アクネ菌の繁殖」が関係しています。
顎は皮脂腺が多いにもかかわらず、汗腺が少ないため、乾燥しがちです。
肌は乾燥をカバーするために、過剰に皮脂を分泌してしまいます。
それが悪循環となり、毛穴が詰まってしまいます。
また、アクネ菌は本来、肌を守る役割をしていますが、毛穴が詰まると、過剰に増殖してしまい、炎症の強い赤ニキビができてしまいます。
顎の毛穴が詰まる5つの原因
- 洗顔料などの洗い残しや顔そり(ひげ剃り)などによる刺激
- 紫外線や乾燥
- 甘いものや脂っぽいものの食べ過ぎによる皮脂の過剰分泌
- 睡眠不足や運動不足、栄養のかたよりなど生活習慣の乱れ
- ホルモンバランスの崩れ
顎のニキビとホルモンのバランスについて
顎のニキビは、複合的な原因が重なり合ってできますが、自律神経の乱れによって男性ホルモンが増えると、ニキビができやすくなってしまいます。
思春期の男女を比べると、重症型のニキビは女性よりも男性に多い傾向にありますが、これは男性ホルモンのアンドロゲンが関与しているからです。
しかし、女性も生理周期によって、ニキビができやすくなります。
女性は、生理周期の後半から次の生理までの間は黄体ホルモンが優位になります。
この黄体ホルモンは男性ホルモンと同じような働きをするため、ニキビができやすくなります。
顎のニキビの予防について
顎にできるニキビは、日々の洗顔や保湿、紫外線対策、質の良い睡眠、バランスの良い食事、適度な運動などで、予防と改善が可能です。
洗顔と保湿
肌に優しいフルーツ酸石鹸などで、週に1度ほどピーリングをおこなうと、毛穴の汚れが取れ、ニキビ予防になります。
しかし、すでにできてしまったニキビは、ピーリング効果の高い洗顔剤でゴシゴシ洗うと、肌の乾燥を招き、かえって肌を痛めてしまいます。
赤ちゃんの肌にも使える牛乳石鹼などをしっかり泡立てて、優しく洗うようにしましょう。
洗顔後は、化粧水や乳液、美容液などで肌に水分と油分をバランスよく補い、肌を保湿します。
紫外線対策
年中、紫外線対策は必要ですが、顎や首は帽子や日傘でカバーできないことが多く、UVクリームの塗り忘れも多いようです。
ニキビ体質の人は、「紫外線吸収剤フリー」や「ノンケミカル」のUVクリームを用いて、顎から首にかけても紫外線対策をしましょう。
良質な睡眠
肌は28日~30日くらいで生まれ変わりますが、睡眠不足が続くと肌のターンオーバーがうまくいかず、ニキビや肌荒れが起こりやすくなります。
眠りについて3時間で肌のターンオーバーをうながす成長ホルモンが出るので、ぐっすり眠れる環境を作ることも大事です。ベッドの中でのスマホなどはやめておきましょう。
バランスの良い食事
体の材料ともいえる肉や魚、大豆製品などのタンパク質や、肌の新陳代謝を促すレバーや焼きのりに含まれるビタミンB2、マグロやカツオ、サケ、バナナなどに含まれるビタミンB6、などの各種ビタミン類もしっかり摂るようにしましょう。
適度な運動
定期的に運動をすることで血行が良くなり、デトックス効果も期待できます。
ジョギングやウォーキングは天候に左右されますが、室内でできるラジオ体操やその場足踏み、スクワットなどは、気軽に取り入れられます。
顎ニキビの治療
顎などの目につくところのニキビは、つい自分でつぶしてしまうこともあるかと思いますが、ニキビ跡が残りやすくなります。
クリニックでは、一人ひとりの症状に合った治療をおこなうため、ニキビを早く治すことができます。
顎ニキビの治療法は、内服薬や外用薬以外にもアクネスニードル、ケミカルピーリング、アクネフォト、面皰圧出などさまざまです。
これらの治療方法は、それぞれメリットやデメリットがあります。肌質やニキビの状態に合わせて、医師と相談して選ぶことが大切です。
まとめ
ニキビはもともと10代に多く、かつては「青春のシンボル」と言われていました。
ところが、近年では40代でも大人ニキビに悩む人が増えています。
原因は、食生活の欧米化や夜型の生活による睡眠不足、紫外線やエアコンの影響などさまざまです。
顔にできるニキビは、本人にとっては気になるものです。
しかし、不用意につぶしてしまうと雑菌が原因で炎症を起こしたり、ニキビ跡が治らないこともあります。
早めに皮膚科などで適切な治療を受けると安心できます。