ニキビ治療のために医療機関を利用する際、皮膚科と美容皮膚科のどちらに行けばいいのか迷ってしまうでしょう。
どちらも皮膚科の専門医なのでニキビ治療が受けられますが違いがあります。
ニキビの症状や進行具合によっては治療方法が変わり、費用にも大きな差が出ます。
様々な項目から皮膚科と美容皮膚科の違いについて見ていきましょう。
皮膚科とは
皮膚科は病気や皮膚疾患の治療がメインになる医療機関です。
診療科目は以下のような症状などになります。
- じんましん
- 湿疹
- かぶれ
- ニキビ
- アトピー性皮膚炎
- 水虫
- うおのめ
- タコ
- イボ
- ヘルペス
- 帯状疱疹
現状で肌に起こっている症状に対しての治療となるので、そのまま放置しておくと健康上問題が起こる悪化する恐れがあるなど、ある程度緊急性が高いものになります。
ニキビが炎症している場合は皮膚科での治療です。
花粉などのアレルギーや化粧品が合わずに肌が荒れて治療が必要な場合も皮膚科になります。
美容皮膚科とは
美容皮膚科は「肌をもっときれいにしたい」「シミやシワをなくしたい」など見た目をよくするための美容目的の治療がメインになります。
診療項目は以下などになります。
- ニキビ
- シミ
- そばかす
- 肝斑
- シワ
- たるみ
- 肌の乾燥
治療をしなくても健康上問題のないことがおもな診療項目なので、炎症が終わったニキビ跡の改善は美容目的とされることがあります。
皮膚科と美容皮膚科の違い
皮膚科と美容皮膚科は、どちらも皮膚科医による診療がありますが、治療方法や費用に違いがあります。
皮膚科と美容皮膚科の具体的な違いについて、4つの項目から見てみましょう。
治療内容
皮膚科と美容皮膚科では治療の目的が違うので、治療内容が変わります。
皮膚科は「病気の治癒と治療」が目的であることに対し、美容皮膚科は「美の追求」が目的になります。
皮膚科はニキビやかぶれなど皮膚の病気を治療するので、でき始めたニキビやニキビの炎症は皮膚科での治療になるのです。
ニキビ跡は炎症が治まって肌表面が陥没してしまった状態のため、美容目的に該当します。
皮膚科では行わないようなダーマペンやレーザーを用いて改善するため、ニキビ跡を消したい人は美容皮膚科に行くといいでしょう。
治療方法
皮膚科は病気の治療が目的のため、医薬品や医療機器を用いて病気の治療をします。
外用薬や内服薬を処方し、症状によっては期間をかけて治療をすることもあるでしょう。
今起こっている症状に対しての治療のため、完治した後の肌の状態や見た目にはあまり配慮されていないことがあります。
美容皮膚科は幅広い方法で肌の悩みを解消するので、医薬品だけでなくサプリメントや美容のために特化した機器が用いられます。
複数の治療方法を組み合わせてカスタマイズした治療が受けられるのが特徴です。
診察内容
皮膚科での診療内容は「皮膚疾患」です。
皮膚の病気を治す診療科なので、皮膚疾患などの病気を診ることが診療内容になり、症状に対しても病名がつきます。
美容皮膚科の診療内容は「肌に関する悩み」なので、シミやシワ、たるみやニキビ跡の改善など悩みも幅広く、全般を様々な方法で解消していくことが多いです。
治療方法も多いため、美肌やアンチエイジングが目指せます。
適用する保険
保険が適用するかしないかは費用に関することなので大切なポイントでしょう。
健康保険とは病気やケガなど、日常生活において支障が出る場合の治療に対して費用を補填するものです。
そのため、皮膚科では皮膚の病気の治療が目的なので、健康保険が適用される場合がほとんどです。
美容皮膚科は肌をきれいにすることが目的で病気の治療にはならないため、保険適用外になります。
公的医療保険の対象とならず自由診療となるので、全額負担になります。
歯科医院でも治療方法によって保険適用と適用外があるように、ニキビ治療も同様です。ただ、自由診療となると金額次第で好きに治療を受けることが可能です。
ニキビ治療だけでなく、シミやシワなどお悩みに合わせた治療が受けられます。
保険適用と適用外では金額に差が出てしまうので、皮膚科と美容皮膚科の違いを知った上で選択していきましょう。
皮膚科と美容皮膚科の選び方のポイント
ニキビ治療はニキビの症状や進行具合によって、皮膚科か美容皮膚科のどちらにするか変わります。
ニキビはでき始めや炎症が起き、治療が必要となった場合は皮膚科を診療します。
保険適用の範囲内で薬の処方や医療機器での治療を行いますが、完治した際の見た目には配慮されていないことがあるでしょう。
美容皮膚科でもニキビ治療をしていますが、炎症が終わったニキビやニキビ跡を対象としているので、保険が適用されません。
保険適用外でもニキビ跡をきれいにしたい場合や、ニキビのできにくい肌にしたい人は美容皮膚科での治療が適することがあります。
美容外科でニキビ跡の治療はできる?
皮膚科、美容皮膚科のほかに「美容外科」があります。
外科なのでニキビやニキビ跡に対して外科的な治療が受けられると思われるかもしれませんが、美容外科ではニキビの治療は行っていません。
美容外科は整形手術や脂肪吸引など、メスなどを用いた外科手術を行っている科です。
総合美容クリニックなどではニキビの治療まで行っているクリニックもあります。
医療機関でも治療対象や目的によって分野が異なるので、クリニックを選ぶ時には診療科の診療科目をよく確認してから行くようにしましょう。
まとめ
皮膚科と美容皮膚科の違いについて解説してきました。
炎症しているニキビやニキビ跡が混在し、すべて解消したい場合は、皮膚科と美容皮膚科が併設されているクリニックを選ぶといいでしょう。
通える範囲に併設されているクリニックがない場合は、皮膚科から受診するのがおすすめです。
ニキビやニキビ跡の症状によっては保険が適用することがあるからです。
また、今できているニキビに対してすぐに治療をしてもらい、炎症が終わったニキビやニキビ跡について相談だけしてみるのもいいでしょう。
ニキビ治療で皮膚科、美容皮膚科で症状を診てもらう際には、治療方法や料金についてしっかり説明を聞き、納得した上で治療を進めてください。